豆食う犬

それは私の一言から始まった ---------------

「犬ってさ、豆まきの豆食べるの知っとるッ・・？」

比較的季節の行事に無頓着な私の実家だが、なぜか豆まきだけは
毎年母が張り切って行なっていた。
その豆を、以前飼っていた犬がセッセと食べていたのだ。

男の探究心に火がついたのか・・・・・
それとも、ただ単に娘達に豆を食べさせたかったのか・・・・
それは私にはわからないッ。

ともかく・・・・・
打合わせから帰ってきた男の手には“コレ”が握られていたッ！



豆じゃないかッ・・・・！！！！
しかもお面までついている。
これはもう“豆まき”するしかないだろう！

そうと決まれば・・・さて・・・・
鬼さんには誰がなるかな？・・・・小梅かいッ？！



じゃ小春かいッ・・・・？！



ええい、面倒くさいッ・・・被って似合う方にしようぜッ！



一番・・・春鬼さんッ・・・・・



結構似合う気がするが・・・・・
どうだッ・・・ひとつやってみるかッ？



そんなにいやかッ・・・・・
じゃ、二番・・・・梅鬼さんッ・・・・・



妙に似合うなッ・・・・

豆まきの「豆」は・・・「魔」を「滅す」ところから来ているらしい。
キャラ的にも悪役レスラータイプの小梅の方がしっくりくるだろう。

ハイッ、鬼さん決定ッ！！！



さっそく豆をまいてみる・・・・・

豆まきに興じる小梅家を見たい方は・・・・・こちらをPUSH！

おもしろくないッ・・・・・
男は心の中でつぶやいた・・・・

ただ犬が豆を食ってる図じゃないか・・・・

男は考えた・・・・・
うちの犬は「集中ッ！」のコマンドでジャンピングキャッチをする。　
そうだッ・・・犬にジャンプをさせてみようッ！！！

豆をジャンピングキャッチする犬を見たい方は・・・・・こちらをPUSH！

やはり、おもしろくないッ・・・・・

もはや男は「犬に豆を食わす」という当初の目的は忘れてしまったようである。
「おもしろいネタ」をとるために必死であった。
その様子はあたかも、芸能人宅前で張る「フライデイ」記者のようであった。

男はさらに考える。
迫力にかけるのかもしれないッ・・・・
そうだッ・・・「豆の嵐」を降らせてみようッ！

大量の豆を一度に振らせる様子を見たい方は・・・・・こちらをPUSH！

結局おもしろくなかったッ・・・・・

あげくに、大量の豆が一気に降ってきたことにビビった小梅が
以後「集中ッ！」の言葉で逃げるようになってしまった。
もうこのコマンドではジャンピングキャッチせんかもしれんぞッ！
どうすんだよ、オヤジ・・・・

でもな、小梅ッ・・・
いったい「豆の嵐」の何がそんなに怖かったんだッ・・・・？

男の野望は崩れ去った・・・・・・

後には、部屋の隅に残った豆を拾い歩く、孫の尻だけが悲しく
揺れていたのであった・・・・







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大豆って、枝豆と同じものだったってご存知？
枝豆って、黒大豆の未成熟なものらしいです。
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