地元の手話通訳者

手話通訳士のＩさんは、非常に勉強熱心。
そのこと自体は、立派だと思う。しかし、Ｉさんはこう言う。

「地元の手話通訳者研修なんて、レベルが低すぎて出席する気にならない」

俺自身、地元の手話通訳者研修に対しては、不満はたくさんある。
しかし、Ｉさんの言葉には反感を覚える。

Ｉさんは手話通訳士協会に属していて、
「手話通訳士協会はレベルが高いけど、全国手話通訳者問題研究会（以下、全通研）とか、他の組織はレベルが低いから、入らない」
と言う。
俺自身、全通研に対しても不満はたくさんあるが、Ｉさんには賛同できない。

地元の手話通訳士たちは非常にプライドが高い。全員がそうだとは言わないが・・・
自分たちでお金を出し合って手話世界の有名講師を呼んで、独自に勉強会を開いている。
そして、Ｉさんから誘われる。
１回の参加費は３万円前後。
そりゃそうだ。
東京から有名講師を呼んで、その交通費、謝礼等・・・参加者が１０人程度であれば、一人３万円ぐらい出さないと成り立たない。

勉強熱心な姿勢は立派だと思う。
しかし、残念ながら権威主義的なところがある。
わざわざ東京から有名講師を招く必要はない。地元にも、全国的に有名な通訳者がいる。
そして何より、
「地元のろう者から学ぶ」
という姿勢こそ、最も大切だと思っている。