手話通訳者のブログ

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アレン・ターナー

2015-05-09 14:39:17 | 手話
マーリンズのイチローの通訳である。
http://zasshi.news.yahoo.co.jp/article?a=20150509-00010002-baseballc-base&p=1

上記からの抜粋
Sometimes, jokes get lost in translation. Sometimes, they work. Turner's favorite memories have occurred when the Japanese press laughed at Suzuki's words and the American media did the same once Turner had effectively translated the humor.
しばしばジョークは翻訳の過程で失われてしまう。そしてそのジョークは大きな役割を果たす。ターナーのお気に入りの思い出は、日本のメディアがイチローの言葉に笑い、そしてターナーが効果的にユーモアを翻訳したことでアメリカのメディアが同じ反応をしてくれた時であるという。


わかる!実によくわかる。
俺は語学通訳者ではないが、手話通訳者として、とても、よくわかる。
通訳現場で、同じ状況を経験しているからだ。

ろう者のKさんが講習会に参加していた時のこと。
グループ・ワーク中心の講習だったため、メンバーが輪になって向かい合い、意見をぶつけあった。
Kさんは社交家で、ユーモアのセンスがある。
Kさんは発表の時、ジョークを交えて発表した。参加メンバーのみなさん、大うけ。
他のメンバーからもユニークな突っ込みが入る。
Kさんも軽妙に返す。

「Kさんは頭がいいなあ。意見もしっかりしている上に、ユーモアのセンスもある」
Kさんは講習会の人気者になった。

その場にいた人たちはみんな、Kさんが優れた人であることは認識するが、通訳者に関心を持つ人は少ない。


アレン・ターナー、優れた通訳者やな。
この人なしには、イチローの成功はなかった、と言えば言い過ぎだろうか。

いや、通訳を受ける立場の人たちの中には、自分にぴったりの通訳者がいかに大切な存在なのか、理解している人もいる。
ハリウッドスターのリチャード・ギアは日本好きで有名だが、仕事の時はもちろん、プライベートでの観光でも、通訳者を指名する。
(指名と言うより、直接本人にオファーするようだ)

「通訳者はナツコ以外には考えられない」

翻訳者として有名な戸田奈津子さんである。




手話通訳者派遣制度/人海戦術か少数精鋭か

2015-05-09 00:12:18 | 手話
これは、手話通訳者の視点というより、国会議員の視点というべきものである。
俺は政治家になる気はないが、大局的見地に立って、考えてみることも必要であろう。

人海戦術とは。
手話通訳者が少ない。だから、必要な数の手話通訳者を確保する。
これを第一の目的とした制度運用である。
どうやって?
簡単である。試験を簡単にする。試験という形式のみ行い、実質的に、全員合格させる。
メリットは、手話通訳者数を一気に増やすことができるので、手話通訳者をいつでも、どこでも派遣してもらえるようになること。
デメリットは、せっかく手話通訳者に来てもらっても、ほとんど役に立たないという事態が頻発すること。
手話通訳者派遣制度への信用を著しく損なう。

少数精鋭とは。
手話通訳者が少ないことを是認する。とにかく、質を求める。
どうやって?
現在の試験は一次試験が学科、二次試験が実技という形式をとっていることがほとんど。これに、三次試験として面接試験を設ける。
ここで、知識や技術はもちろん、人柄も含めて、今すぐに現場に出ても大丈夫な人だけを合格させる。
そして、運転免許のように定期的に資格を更新するようにして、更新時には試験を行い、不合格者は更新させない。
メリットは手話通訳者派遣制度への信用が格段に向上すること。
デメリットは、ただでさえ少ない手話通訳者がもっと少なくなってしまい、現実的に、通訳者派遣できる範囲を限定せざるを得なくなること。