手話通訳者のブログ

田舎の登録手話通訳者のブログです。

手話通訳者が幽霊化する原因/極ろう派の存在

2015-05-16 00:27:57 | 手話
「極ろう派」という言葉は俺の造語なので、世間一般では通用しません。
「ろう者の権利を過大に振りかざす困ったろう者たち」という意味(笑)。

極ろう派は手話通訳者をボロクソにけなす。
わしらのような百戦錬磨の古株はもう慣れてしまっているが、新人手話通訳者の場合、そうはいかない。
初めての通訳で、いきなり相手のろう者からボロクソにけなされてしまうと、深く傷ついて、手話通訳活動ができなくなってしまう。

ろう者のみなさん、手話通訳者を育てることができるのは、ろう者だけなんやで。
「育てる」ということは、とても難しい。
厳しさも必要だが、手話通訳者に苦情や要望を伝える時は、「言い方」には細心の注意を払って欲しい。

まあ、もっとも、極ろう派の場合、
「ちょっと貶されたぐらいで手話通訳活動をやめてしまうような意識の低い人は、やめてもらって結構」
なんて言うからなあ・・・




天狗になるな

2015-05-15 06:37:51 | 手話
むかし昔そのまた昔、手話を学び始めた時からずっと、
「天狗になってはいけない」
と自戒していた。
それでも、凡人の悲しさと言うべきか、天狗になった。

そうなってしまった原因の一つが、親友Kの存在である。
当時はまだ学生だった。同じ学部にろう学生Kがいて、彼と友達になり、毎日のように会っていた。
最初は筆談で会話していたのが、手話が上達するにつれて筆記用具は不要になった。
一緒に飲みに行って冗談を飛ばし、楽しく過ごした。
Kとの会話には何の不自由も感じなかった。

もう一つの原因が、市の手話通訳者認定試験に一発合格したこと。
まわりから「天才!」と囃し立てられた。
凡人の悲しさ、舞い上がってしまった。

しかし、手話通訳者として現場に出て、天狗の鼻をへし折られた。
当然のことや。

いつも会っているろう者と会話がスムーズになるのは当たり前。
これは、相手のろう者が自分に合わせてくれている側面が大きい。

試験なんて水物である。
合格した人が優秀、というわけではない。


天狗の鼻をへし折られると、凡人は落ち込む。俺もそうやった。
困るのは、天狗の鼻を折られて、そのまま手話通訳活動をやめてしまう人たちがいることだ。
打たれ強くないと、手話通訳活動を長年続けることはできない。




蟷螂の斧/市会議員のT先生に連絡

2015-05-14 06:29:12 | 手話
T先生に手紙を書いた。手話通訳者派遣制度の現状について。


○×市手話通訳者派遣制度には大きな問題があります。
市内にお住まいの聴覚障害者のみなさんが不満を持っています。
「私たちの事を私たち抜きで決めないでくれ」という不満です。
これは国際障害者年の標語にもなっていますし、国内法で言うなら、障害者基本等に定められていることです。
しかし、現実には、○×市担当課の課長と、制度運用を受託している外郭団体の責任者が、すべてを決めています。
市ろう協がこれを不満に思い、
「手話通訳者派遣制度について何かを決める場合、その協議の場に私たちも参加させてください」
と要望していますが、もう10年以上、無視し続けています。

T先生、市政を担ってこられたお一人として、この現状をどのようにお考えでしょうか?




手話通訳者が幽霊化する原因

2015-05-13 06:33:24 | 手話
わしらのような登録手話通訳者は「幽霊」が多い。
手話通訳者名簿に名前が載っているだけで、手話通訳活動をしていない。
なぜ、こんなことになるのか。

まず、認定試験の問題があるだろう。
資格試験というものは、手話に限らず、「知識」があればほぼ合格できる。
手話の場合、実技試験もあるから、知識だけで合格できるわけではないが、資格試験というものは向き不向きがあるし、「傾向と対策」をうまくたてることができる人は、比較的短期間で合格する。
一言で言ってしまえば、「試験に強い人」が合格する。

しかし、現実の通訳は資格試験とは全くの別モノである。
はっきり言って、試験に合格したばかりで通訳経験がない人は、満足な通訳などできない。
そういう現実に直面して自信を失い、活動しなくなってしまう人が少なくない。





プロフェッショナルに学ぶ/白鵬

2015-05-12 06:49:09 | 手話
稽古であんまり自信が付いてもよくないんですね。
空回りするんですよ。「やりきった」となるから。
多少落としてというか、銚子悪いところでいけばいいんだね。
そうすると自分が不安があるから、いい緊張感持つんだね。

さすが、歴代最多優勝の横綱である。
慢心することがいかに危険か、理解している。

自分は自信過剰かもしれない、と思っている手話通訳者は、白鵬の言葉をかみしめるべきだろう。

俺自身は・・・
残念ながら、慢心できるほどの技術はない。
だから、白鵬の言葉はあまり参考にならない(笑)