2番手に登壇されたのは小田中先生でした。
小田中先生は 「審美的な上部構造を製作するためのカスタムアバットメントの設計・製作方法」と題され
前歯部インプラントのケースにおいて、歯肉が下がり審美的に満足されないケースを長期的に考察をされ
カスタムアバットメントを設計を解りやすくじっくりと説明された。また前歯部は口元や顔貌の調和を計りながら
製作手順を解説されておられた。初診時の患者さんの顔貌が補綴物の製作経過に伴い、変化していく様子が患者さんの
笑顔(スマイルライン)に象徴されるように、素晴らしい笑顔で締めくくられていた。
デンチャーワークでも普段、普通にされている試適を突き詰めていくことと同じように、顔貌との調和が大切であることが
再認識できた。
しかし、インプラントのボーンアンカードブリッジでは、リップサポートの面で症例によっては限界があるのではないだろうか。
ブリッジワークでいくか、デンチャーワークでいくか深く考慮していかなければならないと思った。
午後から吉田先生が登壇され、「アート&サイエンス 前歯部単冠補綴物におけるカラーマッチング」
と題された講演をされた。
前歯部左上1番のオールセラミッククラウンの色のシビアなケースを吉田先生が経験で編み出されたシェードレシピを
用い、システマチックに技工をされていた。ある意味、職人技の色あわせをサイエンスで分析され理論的に再現されていることに
素晴らしさを感じた。ある程度、誤差のある色の世界を測色計を用いて補っていくのは大切なことではないだろうか。
もちろん、その裏付けになる技術がなければならないことである。
アメリカで仕事をされている吉田先生はシェードの難しいケースのオールセラミッククラウンが1本、15万円でされている
らしいです。すごいの一言です。
三人の講演が終わったら 「ジルコニアの現状と未来像」と題して、増田長次郎先生を座長に
小田中先生、吉田先生、西村好美先生でシンポジュウムが行われた。
三人の先生の共通の見解は症例によってジルコニアを含め材料の特性を理解し使い分けをしていかなければならないと
強調されていた。また、小田中先生がマテリアルの選択に際して医療人の倫理観を持たなければならないと力説されていた。
締めくくりに、片岡先生がマテリアルに対する見解を技術者として見つめ直し、マテリアルにとらわれ過ぎないように技術を
磨いていかなければならないと締めくくられていた。
最後に各先生が出品された作品のオークションが行われた。
各作品が次々とオークションされていった。
中には吉田先生が出された、ボストンの吉田先生のラボで行われるプライベートレッスン と吉田先生の豪邸に泊り
ワインをご馳走になる権利を若いカップルが新婚旅行にするといって35万円で落札したことが印象に残った。
二人にとって思い出深いものになるだろう。すごいことだ。お幸せに!
オークションは盛り上がり総額130万円近いお金が集まった。すごい額だ!!
最後に、この講演に手弁当で尽力された講師の先生方をはじめスタッフのみなさん、お疲れ様でした。
ありがとうございました。