いずれが あやめ かきつばた
「あやめ」も「かきつばた」も美しい花ですが、似ていて区別がつかないところから、(いずれも優れていて選択に迷うことの例え)として『いずれがあやめ かきつばた』という表現があります。
でも、ちょっとしたポイントを覚えればすぐに見分けられるのです。「あやめ」は、花びらに網目のような模様があります。この網目の模様から「あやめ」になったという説や、葉の筋が文目(あやめ)模様だったなどという説もあります。一方の「かきつばた」は、網目の模様はなく、花びらの付け根にスッキリとした一筋の線が入っています。この花の汁で布を染めたところから「書付花(かきつけばな)」が「かきつばた」に変化したといわれています。
もう一つ梅雨時期に咲く「花しょうぶ」もよく似ていますよね。「花しょうぶ」は、花びらの付け根が黄色く色づいているのが特徴。観賞用として江戸後期から改良が盛んに行われ、現在も様々な種類を楽しむことができます。五月五日の端午の節句に入る菖蒲湯の「しょうぶ」もありますが、この「しょうぶ」と「花しょうぶ」はまったく別のもの。「菖蒲(しょうぶ)」はサトイモ科の薬草で、花も素朴。古くから、その匂いが邪気を払い疫病を除くといわれているために、端午の節句に菖蒲湯に入る風習があるのです。また【武道・武勇を重んじる】という意味の「尚武(しょうぶ)」にかけて、江戸時代より、かぶとを飾ったり、男の子の日としても祝うようになりました。
「花しょうぶ」は“葉が菖蒲に似ている”から「花菖蒲」。しかし、略して「しょうぶ」と呼ぶこともあるので、同じものと勘違いしている人も多いかもしれませんね。花の由来と観賞のポイントをつかんで、美しい花を愛でるのはいかがでしょうか。 (アナウンスネットから引用です)
郡上市大和 古今伝授の里に咲いていた アヤメ