本書は、日ごろ意識していなかったことを具体的に提示し、調査結果と著者みずからの考察を示してくれているので、固定観念にとらわれた頭に刺激を与えてくれる好書である。当たり前だと思っていたことにメスを入れることで、新たな視点が生まれ、問題解決の糸口が得られる。ぜひお読みになっていただきたい。 . . . 本文を読む
本書全体に流れている思想は「物理と数学の不思議なつながり」である。単に物理とパズルを結び付けて解説しているわけではない。対称性が物理法則で重要なことはよく理解している人でも、双対性(S双対性、T双対性)が物理だけでなく、数学においても不思議な役割を果たしていることまで解説していることにはきっと驚くと思う。本書は「楽しくて深い本」である。 . . . 本文を読む
僕が関心を持っていることがらは、第3章までに集中していた。特に第3章が重要だ。アインシュタインの元を訪れた2人の物理学者、桑木彧雄と石原純についてである。相対性理論や黎明期の量子力学をどれだけ理解できていたかを知りたかった。 . . . 本文を読む
スウェーデンの王立科学アカデミーは4日、2022年のノーベル物理学賞を、複雑な物理系の理解への画期的な貢献に対してエコール・ポリテクニークのアラン・アスペ、カリフォルニア大学バークレー校のジョン・クラウザー、ウィーン大学のアントン・ツァイリンガーら欧米の3人に授与すると発表した。 . . . 本文を読む
7月初めに知り合った女性にプレゼントしたのが、ミヒャエル・エンデの『はてしない物語』だった。こういう分厚い本は児童書であってもよく考えてから贈ったほうがよい。昨今は物語や小説などを読まない人が増えているから、ありがた迷惑にならないよう注意したい。 . . . 本文を読む
アインシュタインはその生涯に一度だけ来日し、43日間を日本で過ごしている。博士を招聘したのは日本国政府でも、東京大学でもなく、発足まもない改造社という総合月刊誌を刊行する出版社だった。博士が日本に滞在したのは1922年11月下旬から12月末まで、いまからちょうど100年前のことだ。 . . . 本文を読む
世界中でベストセラーのこの小説を、ようやく読み終えることができた。とはいっても本ではなくAudibleの朗読で聴き終えた。老眼が進んでいるから、このような長編小説を読破するのはかなりつらい。それに朗読ならば移動中に聴けるから時間を有効活用することができる。 . . . 本文を読む
物理学研究者としての経験をつづった回顧録。ニュートン力学から電磁気学、前期量子論に至るアインシュタイン博士による解説は、簡潔なうえ、他書には見られない独創性がある。ぜひお読みになってほしい。 . . . 本文を読む
本書は1949年1月から6月にかけてフェルミがシカゴ大学で行なった講義を書籍化したものだ。「核時代の建設者」、「原子爆弾の建設者」と呼ばれたフェルミが、何を語ったのか。戦後間もない頃の原子核物理学はどのようなものだったのか。そのような好奇心に動かされて本書を読んでみた。 . . . 本文を読む
統計力学史、物理学史の本だから統計力学そのものを学べるわけではない。とはいえ、この分野がどのように誕生し、発展していったかはとても興味深いし、おそらくこの本以外では知ることができない。 . . . 本文を読む
チャレンジャー号事故調査報告書が公開された日の夜、ファインマン先生はニュース番組でインタビューを受けた。そのときの動画を日本語訳してみた。 . . . 本文を読む