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9月18日の記事で紹介したが、来週月曜から福山雅治さん主演のドラマ「ガリレオ」がスタートする。天才物理学者(准教授)を演じる福山さんと刑事役の柴崎コウさんの演技もそうだが、物理ファンの僕としてはどのようなドラマになるのか興味深々だ。
このブログでも大げさだが「ガリレオ・プロジェクト」と題し、放送があるたびに各放送回の感想や関連した記事を書くことにした。
手始めにドラマの原作本の「探偵ガリレオ」(東野圭吾著)をこの連休に読んだ。小説は普段ほとんど読まないのだが、東野さんの「手紙」だけは読んだが僕にはつまらなかった。「探偵ガリレオ」はミステリー小説なので「手紙」とはジャンルが違うので、東野さんについてのネガティブな印象を払拭できるか、読んでみるまで「??」だった。
ドラマのネタばれになるので詳しく書かないが「探偵ガリレオ」のほうは面白かった。全部で5つの短編から構成されるのだが、どの話もぐいぐい惹きつけられ一気に読み終えた。ひとつだけ心残りなことがある。主人公の湯川(物理学者)の専門が明かされていなかったことだ。
小説の第3話に夜のお店のシーンがある。席についたホステスに対して湯川は「相対性理論とダーウィンの進化論について、ニュートン展開する研究だ。」と自己紹介するが、物理を学んだ人ならすぐめちゃくちゃなことを言っているのがわかるであろう。それに小説の中で彼が刑事に見せるいくつかの実験は、どれもこれらの理論とは関係ない。
もともと原作で物理学者のモデルとなったのは俳優の佐野史郎さんだったそうだ。本の最後にも佐野さんによる紹介文(感想)が掲載されている。しかし彼をドラマに起用するには年齢的に無理があるので、もっと若い福山さんが選ばれたのだと思う。設定は「准教授」なので佐野さんの年齢でその肩書きだとエリートとは言えなくなってしまうから。
あと、原作でかなり重要な男刑事役は北村一輝さんが演じるが、原作には登場しない女性刑事役(柴崎コウさん)がどのような役回りになるのかはドラマを見てのお楽しみということになる。オフィシャルサイトのキャスティングを見るかぎり、原作にはでてこない人物がほかにも登場するようだ。
物理学の現象を小説やドラマに使うというのは本の裏表紙やオフィシャルサイトを見て知っていた。そして殺人事件の道具や設定に使うのだとしたら、物性物理学や化学の現象なのだろうと予想していた。僕がハマっている基礎物理学(量子力学や素粒子物理学)がテーマにされることはまず考えられない。だって実験装置が数千万~数兆円規模になってしまうから。。。。小説について言えば僕の予想は当たっていた。(ネタばれになるので今日のところは詳細は述べないでおこう。)殺人事件に使われた物理現象は再現実験されるはずだが、どのような映像で見せてくれるのかも楽しみである。
夜9時、10時台のドラマは3ヶ月が1クールでたいてい9回~12回で終わる。過去の月9ドラマの放送回数を調べたところこのように10回~12回だった。このうち「*」をつけた「のだめカンタービレ」と「危険なアネキ」が「ガリレオ」と同じ10月スタートの秋ドラマである。
ファースト・キス(全11話)
プロポーズ大作戦(全11話)
東京タワー(全11話)
のだめカンタービレ(全11話)*
サプリ(全10話)
トップキャスター(全11話)
西遊記(全12話)
危険なアネキ(全10話)*
海猿(全11話)
エンジン(全11話)
原作の5つの話をドラマにするには話が足りないわけで、どのような割り振りになるのだろうか?「探偵ガリレオ」シリーズ2作目の「予知夢」も5話で構成されている。「探偵ガリレオ」と合わせて全10話そろうわけか。きっとそうに違いない。「予知夢」のほうは明日本屋で探してみよう。
実はこのドラマを追い風にして「物理学ブーム」を引きおこそうと僕はもくろんでいるのだ。野望(無謀?)とも言えるプロジェクトだが、全国の物理ファン、アマチュアサイエンティストの皆さん、これを好機に僕らのやっていることを日本全国にアピールしようではないか!
最後に豆知識として覚えておいてほしのだが、登場する物理学者のニックネームである「ガリレオ」についてである。ガリレオは17世紀の地動説を唱えた科学者だ。教会の異端審問(裁判)で断罪された後「それでも地球は回っている。」と言ったというのが通説だが、これは歴史的根拠がないつくり話である。詳細は「闘う物理学者!」をお読みいただきたい。
また、万有引力を発見したとされるアイザック・ニュートンの「リンゴが木から落ちるのを見て引力を発見した。」という話についても後世の人による作り話である。
豆知識2:「助教授」と「准教授」についてだが、文部科学省の通達により今年の4月から「助教授」という呼び方は「准教授」に改められた。(詳細はこちらを参照。)原作本が書かれたのはこれ以前なので「助教授」という表記が使われている。
関連リンク:
「探偵ガリレオ」(東野圭吾著):文庫本
「探偵ガリレオ」(東野圭吾著):単行本
「予知夢」(東野圭吾著):文庫本
「予知夢」(東野圭吾著):単行本
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手始めにドラマの原作本の「探偵ガリレオ」(東野圭吾著)をこの連休に読んだ。小説は普段ほとんど読まないのだが、東野さんの「手紙」だけは読んだが僕にはつまらなかった。「探偵ガリレオ」はミステリー小説なので「手紙」とはジャンルが違うので、東野さんについてのネガティブな印象を払拭できるか、読んでみるまで「??」だった。
ドラマのネタばれになるので詳しく書かないが「探偵ガリレオ」のほうは面白かった。全部で5つの短編から構成されるのだが、どの話もぐいぐい惹きつけられ一気に読み終えた。ひとつだけ心残りなことがある。主人公の湯川(物理学者)の専門が明かされていなかったことだ。
小説の第3話に夜のお店のシーンがある。席についたホステスに対して湯川は「相対性理論とダーウィンの進化論について、ニュートン展開する研究だ。」と自己紹介するが、物理を学んだ人ならすぐめちゃくちゃなことを言っているのがわかるであろう。それに小説の中で彼が刑事に見せるいくつかの実験は、どれもこれらの理論とは関係ない。
もともと原作で物理学者のモデルとなったのは俳優の佐野史郎さんだったそうだ。本の最後にも佐野さんによる紹介文(感想)が掲載されている。しかし彼をドラマに起用するには年齢的に無理があるので、もっと若い福山さんが選ばれたのだと思う。設定は「准教授」なので佐野さんの年齢でその肩書きだとエリートとは言えなくなってしまうから。
あと、原作でかなり重要な男刑事役は北村一輝さんが演じるが、原作には登場しない女性刑事役(柴崎コウさん)がどのような役回りになるのかはドラマを見てのお楽しみということになる。オフィシャルサイトのキャスティングを見るかぎり、原作にはでてこない人物がほかにも登場するようだ。
物理学の現象を小説やドラマに使うというのは本の裏表紙やオフィシャルサイトを見て知っていた。そして殺人事件の道具や設定に使うのだとしたら、物性物理学や化学の現象なのだろうと予想していた。僕がハマっている基礎物理学(量子力学や素粒子物理学)がテーマにされることはまず考えられない。だって実験装置が数千万~数兆円規模になってしまうから。。。。小説について言えば僕の予想は当たっていた。(ネタばれになるので今日のところは詳細は述べないでおこう。)殺人事件に使われた物理現象は再現実験されるはずだが、どのような映像で見せてくれるのかも楽しみである。
夜9時、10時台のドラマは3ヶ月が1クールでたいてい9回~12回で終わる。過去の月9ドラマの放送回数を調べたところこのように10回~12回だった。このうち「*」をつけた「のだめカンタービレ」と「危険なアネキ」が「ガリレオ」と同じ10月スタートの秋ドラマである。
ファースト・キス(全11話)
プロポーズ大作戦(全11話)
東京タワー(全11話)
のだめカンタービレ(全11話)*
サプリ(全10話)
トップキャスター(全11話)
西遊記(全12話)
危険なアネキ(全10話)*
海猿(全11話)
エンジン(全11話)
原作の5つの話をドラマにするには話が足りないわけで、どのような割り振りになるのだろうか?「探偵ガリレオ」シリーズ2作目の「予知夢」も5話で構成されている。「探偵ガリレオ」と合わせて全10話そろうわけか。きっとそうに違いない。「予知夢」のほうは明日本屋で探してみよう。
実はこのドラマを追い風にして「物理学ブーム」を引きおこそうと僕はもくろんでいるのだ。野望(無謀?)とも言えるプロジェクトだが、全国の物理ファン、アマチュアサイエンティストの皆さん、これを好機に僕らのやっていることを日本全国にアピールしようではないか!
最後に豆知識として覚えておいてほしのだが、登場する物理学者のニックネームである「ガリレオ」についてである。ガリレオは17世紀の地動説を唱えた科学者だ。教会の異端審問(裁判)で断罪された後「それでも地球は回っている。」と言ったというのが通説だが、これは歴史的根拠がないつくり話である。詳細は「闘う物理学者!」をお読みいただきたい。
また、万有引力を発見したとされるアイザック・ニュートンの「リンゴが木から落ちるのを見て引力を発見した。」という話についても後世の人による作り話である。
豆知識2:「助教授」と「准教授」についてだが、文部科学省の通達により今年の4月から「助教授」という呼び方は「准教授」に改められた。(詳細はこちらを参照。)原作本が書かれたのはこれ以前なので「助教授」という表記が使われている。
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「探偵ガリレオ」(東野圭吾著):文庫本
「探偵ガリレオ」(東野圭吾著):単行本
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私も福山さんの動画を集めてサイトを作ってしまいました
もしよろしければ遊びに来てみてくださいね
それにしても動画たくさんありますね~。
おじさんになってから物理学をはじめましたが、いまは数学にはまっています。
ポアンカレ予想のTVは視ましたか。数学でも宇宙の話ができることがわかりました。位相幾何学あたりから勉強してみます。
はじめまして。コメントありがとうございます。
先日BS hivisionで放送していた「数学者はキノコ狩りの夢を見る~ポアンカレ予想・100年の格闘」のことですね。僕も見ました。2時間近い番組なので、かなり掘り下げた内容でしたね。
ポアンカレ予想の証明に至ったポイントは位相幾何学の「サーストンの幾何予想」が証明できたこということですが、この分野は奥が深そうだと、畏怖の念すら感じます。
そろそろ、この番組のことを取り上げた記事を書こうと思っていたところコメントいただきありがとうございます。
> 位相幾何学あたりから勉強してみます。
興味を持った分野からはじめるのが、長続きするコツだと思います。
僕もこの「微分・位相幾何」理工系の基礎数学
By 和達 三樹 という本をすでに持っているのですが、まだ手つかずです。
http://astore.amazon.co.jp/tonejiten-22/detail/4000079808/249-0746798-7141951
読書の秋、ご一緒に楽しみながら勉強しましょう。
元々人気作家ですが、一昨年直木賞をとってから、映像化の需要が高まっています。関係者の間ではガリレオシリーズのドラマ化が念願だったのでしょう。私は特に好きではないのです。まあ、東野原作じゃなくても、福山雅治主演で毎週見ますが。
ファースト東野が『手紙』というのはちょいと無理があったかもしれません。最高傑作の誉れ高い『白夜行』はいかがでしょう。文庫になっています。近年の作品だと『容疑者Xの献身』や『使命と魂のリミット』もお勧めできます。彼が「理系作家」と言われているから、というわけじゃないけど、とねさんもお好きになる作家だと思います。
東野圭吾ファンだったのですね。(そして福山雅治ファンでも。)
「容疑者Xの献身」は買って本棚に置いてありますけど、まだ手がついていません。「予知夢」読み終わってから考えてみます。(また、物理の本に戻ってしまうかなぁ。)
「白夜行」はドラマのほうを全話見ました。人気ドラマでしたけど、僕にはダメだったみたい。過去の重たい罪を引きづる状況って、感覚的にうれしくないようです。(東野ファンのアマサイさんに言ってはいけないことかしら??)
> 使命と魂のリミット』もお勧めできます。
> 彼が「理系作家」と言われているから、
> というわけじゃないけど、とねさんもお好きに
> なる作家だと思います。
そうなのですか。それじゃ、もう少し試し読みしてみますね。
僕がいちばん好きなジャンルの本や映画は「時空を超えた恋愛モノ」ですかねぇ。。。SF好きの中学生のようで精神的に成長していないのがバレバレですけど。
>人気ドラマでしたけど、僕にはダメだったみたい。
>過去の重たい罪を引きづる状況って
ああ、そうですね、確かに重い。原作も負けず劣らず?重いです。
但し、原作では、時代が30年くらい、東野氏が幼少だったころ、になっていて、80年代までのハイテク犯罪史の要素があって、
うーん、いずれにしろ明るくはないですね
>「時空を超えた恋愛モノ」
ならば、その名のとおり『パラレルワールドラブスートリー』(講談社文庫)というのがあるのですが。『白夜行』発刊以前は、私の中でNo.1です。
まあ、所詮、小説なんて趣味の問題ですから、強制することはできませんね。
> 『パラレルワールドラブスートリー』(講談社文庫)
あ、それ読んでみたいです!
映画でいうとものすごくマイナーでDVDやビデオ化されてないのですけど、「過去へ旅した女('79)」がもう一度見たいです。主演はバイオニックジェミーで有名になったリンゼイ・ワーグナーです。
過去へ旅した女('79)
http://blogs.dion.ne.jp/metrofarce7/archives/3024930.html
リンゼイ・ワーグナー
http://lindsay.exblog.jp/
> まあ、所詮、小説なんて趣味の問題ですから、
> 強制することはできませんね。
僕のほうも「食わず嫌い」で良さがわかっていない場合もあるわけで、いろいろな作者のを読んだほうがいいですね。
ブログを拝見していて、お仕事もハードになさっているのにアマサイさんの読書量が多いのにはいつも感心しています。