桜の葉

５月の風に揺れながら
ざわざわと

緑をこれでもかと光らせる

天にかざす拳のように
ここにいるぞと
強いエネルギーを感じる

桜の花のような若い娘に
見とれるサラリーマンを

ぎょろりと睨んで
孔雀のように葉を広げる

私の青春花こそ咲かなかったけれど
これでもかと光らせる

酔っぱらい

酔っぱらいのお父さん
子供みたいに傘を失くす

だからお母さん考えた
傘に名前を書くことを

今日は春雨
急ぎ足で歩けば

酔っぱらいのお父さん
街にいっぱい

だからそっとつぶやいた
ちゃんと傘と帰ってね