ドラマを見ていた
テレビに映るお団子を見て
祖母が記憶の引き出しを
そっと開けて
微笑みかける
よもぎ摘みの季節
その頃のこと
ドラマを見ながら
もう楽しいおしゃべりで
いっぱい
記憶の引き出しに
あかりが灯る
夜のこと
「土地」
ディーゼル車を降りると
風の香りが変わった
土地にも香りがあるみたい
花のように
人のように
「不知火海」
磯の香りは
わたしをこどもにしてくれる
遊び疲れて眠った
昼下がりのように
きっとね
どこかで疲れてた
夏布団を纏うように
磯の香りが心地いい
「暮らし」
静かに静かに
暮らしたい
窓からの景色を
日長一日眺めてる
祖母の横で
小さな生き物たちの
営みを見てた
恋をしている蝶々に
花を探して蜂さんブンブン
あれあれ
けっこう賑やかなこと