雨の日

雨がしとしと音を立て
わたしの服に触れては落ちる

通りにたてば

金木犀と雨の香りに微笑む

「傘も持たずにでてきたの？」
あなたに尋ねられたから

「傘は置いてきたの」
と答えた

鼻歌混じりの私を横に

不思議そうにあなたはしていた

白い花

玄関を出ると

白い花が落ちていた

あなた、どこへ行く途中だったの？

そっと拾いあげた

日当りのよい窓辺へ

あなたを飾ったら

縮こまっていた花弁が

ふっくらとひらいた

裸電球

包みこまないで
あなたを照らさせて

やけどするくらい
熱いこのからだ

鉄は熱くなり
そしてすぐ冷める

だから

包みこまないで
そっと側にいて

やけどするくらい
熱いこのからだ

鉛筆

100均で鉛筆を買った
茶色の2Bを選んだ

くるくるとノートに試し書きすると
優しい風が吹いてきた

なんとなく買った鉛筆は

かたくなだった
開かずの扉をすり抜けた


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