倉敷三昧

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【素人料理】念願のジャガイモ

2022-08-22 14:18:02 | 料理・食事

これには伏線がある。それも二つだ。

まだ若かったとき、TVでドイツの家族の食卓が出てきた。おとうさんはでっかい体躯のおじさんで、たくさんの茹でたジャガイモが入っているボウルから、一つ取り出しては小刀で皮を剝いて食べていた。その時『良いジャガイモは全部輸出して(こんなボロい)ジャガイモしか我々の口に入らない』なんて言いながら、小さなジャガイモを次々と食べていた。記憶があやふやだが、ジャガイモ農家で、売れない小さなイモをこうやって食べていた風景のような気がする。日本人なら爪を使って手で剝くだろうにドイツ人は小刀でないと剥けないのかって感じたのを覚えている。私にはその小さなジャガイモがとても美味しそうで、茹でて食べるんならおおきなのじゃなくてこんなサイズが良いなと思ったわけだ。

もう一つは子どもの頃の体験だ。

若い人には分からないだろうけど、私の子どもの頃には木を燃やしてお風呂を焚くタイプがまだ残っていた。私も、小学生の時までは「お風呂は焚く」ものであって、「湯を入れる」ものではなかった。月に一度ぐらい、近所の材木屋に端材を買いに行っていた。軽トラに積めるだけ積んで1,000円だった。と言っても今の1,000円とは雲泥の価値差だけどね。

そんなお風呂を焚いた後、まだ燃え残った灰が熱いとき、畑で大きくなれなかったジャガイモをその中に埋め込む。しばらく経ったら焼きサツマイモならぬ焼きジャガイモができるわけだ。私にとっての幼い頃の焼き芋は、サツマイモではなくジャガイモだった。

まぁこんな経験で、小さなジャガイモを茹でて食べたかったのですよ。明日から本格的に仕事が始まるので、今日こそはと作ってみた。

茹であがったイモに竹串を刺し、爪で皮を剝いて塩胡椒をかけていただく。ドイツの伝統にのっとって(笑)この日のために買っておいた百均のナイフを使って皮を剝いたときもあった。先日、学校で育てたジャガイモを食べた生徒が中毒を起こし救急車・・なんて記事があったので、大きめの、少し皮が緑がかったやつは小刀で剝いたのだ。ジャガイモは日光に当てると表面が緑色に変わってくるが、アレって芽に含まれる成分と同じだとか。用心に越したことはない。

さて、もう一回楽しめるぐらいイモを残してある。田舎で「うちでは食べないから要らないんだけど、これが欲しいと言っていたから残しておいたよ」と言われて貰ってきたものだ。ありがたいものと感謝している。



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