謹んで新年のあいさつを申し上げます。
労組の年始の挨拶はいつもこれです。「おめでとう」とか「およろこび申し上げます」は使いません。
組合員には喪中の人もいますからね。
若いころは葬式仏教を軽蔑してきましたが、自分も肉親を身内を亡くしてみると、死という不条理を受け入れていく「喪の時間」が必要だと思うようになりました。
今は時季が変わりましたが、以前は年始式で昇進者や優秀者表彰がありました。人事の問題はデリケートで、新年早々、おもしろくない人もいるわけです。昇進の内示がある最終日の納会で、悪酔いして、年下上司になることに決まった人にうざ絡みする人もいたものでした。新年早々、めでたくもおよろこびもない人たちだっているのです。
今年も、このブログの愛読者で、昨年末にごきょうだいを亡くした方がいらっしゃいました。
仕事納めの翌日に年賀状を出すグータラのおかげで、年賀状を出す非礼は免れました。れんちゃんお気に入りのH@Lさんのポストカードで寒中見舞いを差し上げました。窓辺で雪を見る三匹の猫のポストカードです。
さて、年明け早々何をしているかというと……
ぶり大根をコトコト煮ています。
29日、年賀状を出し終えて、始めたのは大根の輪切りです。ぶりのアラが半額だったので、冷凍しておいて、しいたけ栽培にチャレンジしたとき購入した干物ネットで、輪切りにして皮をむいた大根を干しました。農業事業で、一時期、サイクルの早い換金作物としてしいたけ栽培も検討したのですが、個人で食べるならいいけれど、色や形のよいしいたけを育てるのは大変ですね。ちなみに大根の葉っぱと茎はベーコンと一緒に炒めて、皮もしっぽもあたまも干してきんぴらにして楽しんだのはいうまでもありません。
大根の輪切りは一昼夜干し、水分が抜けてへなへなになったのを、ぶりのアラと一緒に煮込んでいます。これはお世話になっているシェフさんに教わりました。火が通るのも早くなるのでガス代の節約にもなるのだとか。煮物は冷めるときに味がしみこむんだそうですね。コトコト煮て、アクを取り、火を止めて冷まして、またコトコト煮てを繰り返して、いま三度目です。
新年の計は元旦にあり……だそうですが、全くノープランです。
大晦日は酒をしたたかに飲んで寝て、夜中の2時ごろ目覚めました。スマホを起動し、ゲームの新年イベントをやっておりました。『マギアレコード 魔法少女まどか☆マギカ外伝』(マギレコ)です。
今年のお正月キャラは、なんと暁美ほむら晴着Ver.です……!
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「ほむほむ」の愛称で親しまれる、まどマギコンテンツでは、最強の人気キャラです。まどマギファン投票でも一位は間違いないでしょう。私も大好きです。
私も課金してしまいました。門松がマシンガンになったり、竹槍になったり、いかにもほむほむらしいアクションです。ほむらは時間停止の能力で非合法に入手した銃や爆弾、果ては迫撃砲からタンクローリー、トマホークなどを武器に戦うミリタリー魔法少女なのです。
20話ある新春のイベントストーリーを一気に読みました。
ほむらとまどかが迷い込んだのは、夢の中の神浜市の商店街。どうやら二人は同じ夢を見ているようです。しかしほむらは眼鏡をかけておらず、髪型も雰囲気も口調もいつもと異なり、「鹿目さん」(かなめさん)ではなく「まどか」と呼び捨てです。一体何が起きているのか。この夢の中から脱出するには、街全体がすごろくのゲームになったさまざまなイベントをクリアしなければならないようです。
ストーリーを読み終え、5時半すぎに、再び眠りにつきました。
そして、奇妙な夢を見ました。
晴着のまどかとほむらと、あちこちを探索するという夢です。アニメやゲームの二次元キャラと、どうして共存できるのか。そこはあまり違和感を感じていなかったようです。しかし、高校時代を過ごした崖地の坂道を探索しろといわれたときは、さすがにうんざりしてしまいました。道らしき道もなく、雨の中、つるつる滑る岩や石ころや粗大ごみばかりで、こちとら和装で草履履きなのですから。「おれはやめる」と怒って目覚めることにし、水を飲んで、また眠りについたのですが、再び夢の中に戻ることはできませんでした。
あのとき、怒らねばよかったと少し後悔しています。この地に生まれ育ったシェフの先輩は、お父さんやお兄さんと一緒にあの崖で自然薯を採取していたそうです。あの崖道をクリアしていたら、どんな結末が待っていたのでしょうか。大晦日、たまたま先輩に電話をもらったのも、.そんな夢を見た理由だったかもしれません。今はすっかり住宅地で、半世紀前には自然薯がとれたとはまさか誰も思わないでしょう。
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いつもの7時のアラームで一瞬起きましたが、9時すぎまで半覚半睡で惰眠をむさぼっていました。しかし夢の続きを見ることはできませんでした。
このメモリアのイラストが好きなんですよね(メモリアとは、キャラクターを強化するカードのようなものです)。
「ほんとうの終わりへ」は、私が『まどマギ』にドップリ浸かることになった、『[新編]叛逆の物語』ED「君の銀の庭」の歌詞のフレーズです。そして、光ふるところに手をつないで走り去っていくところも、「君の銀の庭」と一緒です。
そういえば、『叛逆の物語』のほむらも、「まどか」呼びでした。私はテレビ版も劇場版も知らなかったので、ごく普通に受け止めていましたが、オリジナルを知る人には違和感があったでしょう。
結局、まどかとほむらが普通の中学2年生の少女として、幸せに仲良く過ごせる時間軸は、夢の中にしかないのか。そう思うとほろ苦くはありますが、この物語のラストは、ほむら、そしてまどかの望む理想だったと思います。
『まどマギ』外伝の『マギアレコード』は、『ゆるキャン△』で一躍ブレイクしたあfろさんによるスピンオフ作品『魔法少女ほむら☆たむら』の世界でもあるのだなあと改めて思いました。
よく考えると、『マギレコ』の世界は本来ありえない、奇妙な世界なのです。
鹿目まどかという少女は、「円環の理」といわれる神に等しい概念になりおせ、暁美ほむら以外誰もこの地上ではその存在さえ記憶していないというのに、この世界線ではごく普通に中学二年生の少女として存在して、魔法少女活動をがんばっているのですから。この新春イベントでも、神になったまどかが、まだ人間だった頃の自分が、大切な友だちであるほむらと一緒に過ごすのを眺めているという、不思議なことになっています。
まどかを救うことにすべてをかけて、運命に抗い続けるほむらちゃんのがんばりを見守ることにした『ほむら☆たむら』の世界観と一緒でした。
ホムラーの願い 『ほむら☆たむら』と『ゆるキャン△』 - 新・私に続きを記させて(くろまっくのブログ) (goo.ne.jp)
と、新年早々、ゲームで始まってしまったわけですが……。
ぶり大根、いい感じに味もしみこみ、ほろほろになっていました。
出し忘れてしまった方に年賀状の返信を差し上げたら、おせちもどきと一緒に味わうことにしたいと思います。新潟風お雑煮は、今日の夜か明日かな。
それでは、本年もどうぞよろしくお願いします。
#年末年始