きょうは逸翁美術館の『蕪村 時間の旅』の後期展を見に、また池田に来たよ。
先にお昼を済まそうか。
元治元年創業の大阪うどんの老舗「吾妻」さんだよ。
やはり出汁を味わうのなら温かいうどんかなあと思ったけれど、暑くなってきたねー。
山菜冷やしおろしうどんにしちゃった。
うん! これだ、これ。このふなふなした食感! これが大阪うどんだよ。
さぬきうどんもいいけれど、「ぐでたま」みたいにくたっとした大阪うどんも、
お出汁がよく絡んでおいしいね。
このお店のかやくご飯も、香ばしくて好きだな。
香の物もしっかり漬かっている。
久しぶりにしっかり食べちゃった。
じゃ、歩いてカロリー消費しよう。
お店にポスターが貼ってあったけれど、池田にも大衆演劇の小屋があったんだねえ。
呉服座だって。
これは大衆演劇好きのお姉さん方と共有しなければ。
ぴろん。
ん? お父さんがLINEするの、変?
ぴろん。
さすがだねー。来たことあるって。
あの人たち、北は北海道から南は沖縄まで、
追っかけで全国回っているからなあ。
こないだ寄った落語ミュージアムの隣に、歴史ありそうな建物があるねえ。
「京都紅屋呉服店」だって。今は店じまいしているようだけれど……。
「京に田舎あり」ならぬ「田舎に京」ありだね。
田舎は失礼?
「池田の牛ほめ」「池田の猪買い」「鬼の面」、
上方落語に出てくる池田って、
お金持ちのおじさんがいて、猪が捕れる自然を満喫できて、少女の足で日帰りで行ける距離なんだ。
大坂の人には、実家のような場所だったんじゃないかな。
おや?
何か見つけた?
おや、ビリケンだ。
看板があるぞ? なになに?
「福をもたらす“ビリケンさん”
通天閣でおなじみの“ビリケンさん”は、池田市出身で繊維商社(株)田村駒の創業者・初代田村駒治郎さんが商標登録を行ったもの」
なんだって。
そうだったのかあ。田村駒がビリケンの商号を持っているのか。
足の裏もたくさんなでられて、だいぶ凹んでいるねー。
ん? 美術館の前に行きたいところがある?
久々に山登りしたよー。
えっ、標高315mの池田山で「山登り」なんていわないでほしい?
五月山動物公園に来たかったのか。
エミュー、元気に歩き回っていたね。
イライラしているのかも、って?
なるほど。3月まで閉園していて、ゴールデンウィーク以降、急にお客さんが増えたからなあ。
れんちゃん、きょうは羊に勝ったね。
えっ、その話は禁止?
人気のウォンバットもトコトコ歩いてて、かわいかったね。
アルパカに、頭ぺろっとなめられちゃった?
立派なエノキの木だねー。樹齢何年くらいだろう?
そうだ。池田は城下町なんだよ。知ってた?
櫓みたいなのが見えていたね。気になるから登ってみようか。
はい、お城に到着でーす。
あ、れんちゃん、半目になっちゃった。
もちろん、本物じゃなくて復元したもの…
ではなくて、これは「城型展望台」というやつだね。
石段きつかったねー。でも、無料で入れるところがいいや。
櫓に登ろう。
ほほう。
これは眺めがいいぞ。
阪神高速の通称ビッグハープ……新猪名川大橋がみえるね。
池田は川もあって山もあって、いいところだねー。
公園には日本庭園もあって、みんなの憩いの場になっているね。
私たちも降りてみようか。
小さな人がガチャガチャやっているから何かと思ったら、鯉のおやつか。
れんちゃんもあげたい?
ほほう。
菖蒲園もあるのか。
いい季節に来ることができたね。
ふー。きょうは坂道を登ったり降りたり、よく歩いたね。
逸翁美術館に着いたよ。
それじゃあ、また蕪村に会いに行こうか。