さて、これは前夜にアップした予約投稿です。
私はいまごろ、きちんと摩耶山に向かっているでしょうか?
それとも、まだ寝ているでしょうか?
今日は記事を更新できるかどうかわからないので、先日のカピパラちゃんクイズの解答編です。
これ、実際の誌面ぽく再現したら、もう少しリアクションをもらえたかなと思います。Twitterの毎日新聞校閲室の校閲クイズ、おもしろいですよね。しかし実際の誌面を出すわけに行かず、ダミーの写真やコピーを用意して、レイアウトを組むのは時間がかかりますから、写真1点だけにさせてもらいました。実際には、100ページ以上あるカタログに掲載された、数百点の写真のうち1点だけに起きた現象です。
問題のカピパラの画像です。
(写真提供:Unsplash Amy Ozeloさん)
これは「デザイナーあるある」のよくある凡ミスです。
画像を拡大してみましょう。
左のほうに「COPY」という文字が隠れていました。
ちなみに、このカピパラの写真は、私がサンプルとして加工したもので、実際に起きたのは、モデルの着た服の中に、数字がなぜか紛れ込んでいた、という不具合です。数字の文字サイズは小さく、さらに文字の色と服の色が同系色だったので、パッと見はだれも気づきません。たまたま上司が発見したのですが、われわれはもちろん、上司本人も「よく見つかった」と驚いていました。
というわけで、この事故以来、老眼鏡✕虫眼鏡で写真を拡大しながら、異物混入はないか、ひたすらチェックしていくという仕事が加わりました。
今回のケースは、もしそのまま印刷していたら、お客さんに叱られることは必至ですが、始末書レベルで済むでしょう。しかし、これがアイドルや有名俳優、有力政治家の写真だったりしたら、カタログを全回収して刷り直しなんてこともありえますから、油断はできません。
「よくあるミス」といいましたが、ほんとうに凡ミスで、コピーした文字列をペースト(貼り付け)する場所を間違えてしまったのです。みなさんも、文章を作成していて、コピーしてきた文字列を貼り付ける場所を間違えて、文章がチグハグになってしまった経験はおありだと思います。
今回は、文字列をコピーして、希望の場所に貼り付けようとマウスを移動中、電話がかかってきたり、話しかけられたり、作業が一時中断させられてしまったのでしょう。そのとき、マウスをドラッグ中だった指が無意識に離れて、関係ない場所にペーストしてしまったのに違いありません。電話あるいは用件が終わって、画面を見ると、ペーストしたつもりがコピーできていないので(実は操作は終わっている)、もう1回やり直した、最初の間違いには気づかないまま終わってしまったということだと思います。
詳しく聞いたわけではないですが、おそらくこういうことでしょう。
今回はたまたま発見できましたが、やらかした本人も忘れているわけで、これを他人が見つけるのは至難の業です。
このうっかりミスの防止には、Illustratorを使っているのなら、アートワークへの切り替えが有効です。カラー、グラデーション、パターンなどの要素は省略され、線と文字だけの表示になるので、今回のケースのように、小さな文字が同系色の写真に隠れているというケースでも発見が容易になります。
これが、カピパラの画像を貼り付けたIllustratorのファイルをアートワークに変換したものです。これなら「COPY」という文字列が入っているのが、一目瞭然ですね。
アートワークに変換すると、消し忘れの文字やオブジェクトなどのデータ上のゴミの発見も容易になります。Illustratorで印刷物のデータを作成している方は、ぜひ入稿前にアートワークに変換して、紙面に不要なデータが残っていないか、チェックしてみてください。