今日は三か月に一度の歯のお掃除の日でした。
「痛かったら、左手を上げてくださいね」
10年以上担当してくれたKさんが一昨年に歯科院をやめて、今の担当のAさんとは2年ほどの付き合いです。
Kさんは、痛みに軽く眉間にしわを寄せただけで、「だいじょうぶですか?」とお声がけしてくれる、やさしい人でした。Aさんは、意思表示がなければ、そのままどんどん行く、男気あふれる?タイプです。初めは、Kさんに比べて経験が浅い部分もあったのでしょう。慣れない部分もありましたが、今は安心して任せられます。
歯の掃除を受けながら、考えていたのは、摩耶山の廃墟をモチーフにした小説の構想でした。
最初のプランでは、幻想小説で、登場人物はフランス語話者でした。夢の世界の幻想小説だから、日本語話者の主人公にも、フランス語が理解できてしまうわけですね。
しかし、そういう「夢オチ」にしたくないなと思ったのです。
ある歴史的事件と結びつけることで、リアリズムに方向転換することにしました。しかし、関係者はまだ存命ですから、いい加減なことは書けません。二転、三転して、あすはどうなっているか、わかりません。
歯のお掃除中、いろいろ考えているうちに、ある可能性に思いつき、
「あー」
と、私は呟いてしまいました。ストーリーを考えるうちに、あー、これは無理があるなあ、と。
「痛かったですか?」
さすがに、Aさんもお掃除の手を停めました。
「だいじょうぶれす。すんません」
私は詫びて、またお掃除が始まりました。
さあ、どんな小説になるんでしょうか…。
はたして、完成できるんでしょうか…。
さて、今日、ハロウィンですが、宗教改革記念日でもあるんですね。過去記事をご覧ください。