福島第一原発の作業員が死亡

急性白血病：福島第１原発作業員が死亡　東電が発表
http://mainichi.jp/select/jiken/news/20110830k0000e040075000c.html

　＜東京電力は３０日、福島第１原発で作業に携わっていた４０代の男性作業員が急性白血病で死亡したと発表した。外部被ばく量が０．５ミリシーベルト、内部被ばく量は０ミリシーベルトで、松本純一原子力・立地本部長代理は「医師の診断で、福島での作業との因果関係はない」と説明した。＞


　福島第一原発で作業していた労働者が亡くなった。
　亡くなった方に、またご家族に、なんといったらいいのかわからない。激しい怒りをおぼえる。

　東電の発表した「因果関係はない」という説明自体を、まともに信じる人が、いまどれだけいるのか。

　判断ミスの連続でメルトダウンを引き起こし、放射性物質拡散を引き起こしながら、さらに情報隠し、はては「やらせメール」、東電と政府は完全に信頼を損なっていることを、よく認識しなければならない。

　だれが、こんな説明で納得できるだろう。16日に元請け企業から報告を受けただけで、「今回以外の原発での作業歴は不明」なのに、「因果関係はない」と言い切れる神経が、私には信じられない。徹底した調査、そして説明責任があるはずだ。

　こちらの記事では、もっとひどいことをいっている。

http://sankei.jp.msn.com/life/news/110830/bdy11083013180003-n1.htm

　＜東電によると、急性白血病に関する厚生労働省の労災認定基準は年間５ミリシーベルト以上の被ばく、１年間の潜伏期間などがある。この男性の福島第１原発での作業は、基準に達しないという。同原発の作業に従事する以前の職歴については分かっていないが、東電は「これ以上調査する予定はない」としている。＞

　これ以上調査する予定はない、だって？
　東電は人のいのちを何だと思っているのか。

　百万歩ゆずって、この方の急性白血病が被ばく作業と因果関係がないとしても、そのことを立証するためにも、徹底した調査を行うのが、まともな企業のすることだ。

　すべての責任を下請けに押しつける。そして切り捨てる。平気で見殺しにする。こんなことで、労働者の誰が危険な作業に従事するというのか。またどうして原発の再稼働など認めることができるだろう。

　チェルノブイリ事故処理作業のために、文字通り命を投げ出した消防隊員や兵士、労働者たちのインタビュー記事を想起する。あの悲劇を繰り返してはならない。労働者に徹底した安全対策を！　東電は責任逃れをするな！


☆放射線被ばくの生体への影響（長崎大学大学院のサイトへ）
http://www-sdc.med.nagasaki-u.ac.jp/coe/jp/activities/elearning/lecture/03-01.html