「プロムナード」「背の目」感想 道尾秀介

「プロムナード」
道尾さんの初エッセイ集。面白かったです。
読んでびっくり。実生活で体験した事などが、小説によく使われていたんですね。

東海道五十三次、沼津の絵は「背の目」で、１０円玉でアメンボや線香花火は「月の恋人で」その他にも、西瓜一個買いとか、あちこちにありました＾＾
それと、本を全く読まない道尾秀介に太宰治の人間失格を薦め、目から鱗にさせた女の子＝同じバンドのショートカットのドラムの子で、７年前薬で自殺してしまったは、「ラットマン」の女の子を連想させられました。

笑ったのは、小学校時代の、トイレのう●こ事件や、「庇」ひさしを、屁へと勘違いしてしまった話、電車の中での誰かの屁の話。

読者の人へのお願い。「後半が要注意だな、とか妙な期待？をしないで素直に読んでもらいたい」ということを、トリプルアクセル無しのスケートなどで表現していて、とっても可愛らしく思いました。私も今後そういう風にどんでん返しがあるに違いないとか、びっくりさせられる事があるという前提で読むのは辞めようと思いました＾＾

高校時代、好きな女の子にあじさいの押し花で作った栞をプレゼントした時の話、一方的に渡したのに「使ってくれてるよね？」とか「捨てちゃったの？」とかって言う道尾少年！押しつけがましいというか、なんというかｗ　その栞からダニがわいたのに冷蔵庫にしまっていると言った少女のけなげさ！
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「背の目」
道尾さんのデビュー作を今更になって読んでみました。
とても分厚い本。道尾さんらしい、深層心理のウンチク（ここに幽霊が出る・・と言われたら本当はそうじゃないのに見える。心の奥底で少し心配していた事があった場合、それに結びつけて物事をつい人は考えてしまう・・等）や、天狗伝説や東海道五十三次の絵など、ミステリー以外の部分も読み応えがありました。
しかし、、、いかんせん、ちょっと長いです。

★以下ネタバレ　白文字で書いています★
背の目については、どうもスッキリしませんでした。
それと、宿屋のご主人には奥さんがいて、子供もいて、２人とも亡くなっていた・・というのが段々解って行くわけですが・・・。奥さんが不治の病になって、四肢を切り落とさなければならなくなり、そんな処置を取ってさえもすぐ亡くなってしまったというのが、とても気の毒だし怖かったです・・・。人違いで殺されてしまった痴呆の母とニートの息子が不憫でしたね・・・。真備さんはとても奥さんを愛されていたんですね・・・。ラスト、霊を見れる力を持った小学生の亮君が言ってましたね・・「いつも一緒にいるお姉さんが」と。以上

ひょうひょうとした真備さん。最初はこういう感じだったんですね。

背の目　道尾 秀介 2005-01
「レエ、オグロアラダ、ロゴ...」ホラー作家の道尾が、旅先の白峠村の河原で耳にした無気味な声。その言葉の真の意味に気づいた道尾は東京に逃げ戻り、「霊現象探求所」を構える友人・真備のもとを訪れた。そこで見たのは、被写体の背中に二つの眼が写る4枚の心霊写真だった。しかも、すべてが白峠村周辺で撮影され、後に彼らは全員が自殺しているという。道尾は真相を求めて、真備と助手の北見とともに再び白峠村に向かうが...。未解決の児童連続失踪事件。自殺者の背中に現れた眼。白峠村に伝わる「天狗伝説」。血塗られた過去に根差した、悲愴な事件の真実とは?第5回ホラーサスペンス大賞特別賞受賞作。

「片眼の猿」「シャドウ」
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