サルサバンドLATIN FACTORYのブログ
EL WEBLOG DE LATIN FACTORY
A DESPEDIR
暑さも寒さも彼岸までと言いますが、昨日の夕方は日中の暑さとうってかわり、気持ちの良い風が吹き抜けました。一昨日は猛暑の上、どうにもならない熱帯夜であったことを考えると、同じ熱帯夜でもかなり過ごしやすく感じました。
個人的な事で恐縮なのですが、ふと、一昨年の8/10に義母を見送った時の事を思い出してしまいました。九州の暑さは、東京のそれとは比にならないほどのきつさ。車で山陽道を走る頃から、木々の様子がたくましく力強くなってきます。木々一本一本の大きさは関東近辺よりも遙かに大きいのです。太陽はじりじりと地表を焼き焦がすがごとく照りつけ、それに応えるようにクマゼミが「シャァ!シャァ!」と鳴き続けます。これでもか!と言わんばかりの強い日差しの中を、日に焼けた人々が汗をぬぐいながら通り過ぎます。
バンドで合宿をやっていたその時、CABEZÓN は遙か遠い九州におりました。ZENちゃんの初参加もこの時だったと思います。携帯電話で、九州から遙か遠い房総方面での待ち合わせに関しての指示まで出していたのも、今考えてみると滑稽なものがあります。「もうそろそろダメかも知れない」と涙声での電話を受けたのが8/8の夕方、大慌てで飛行機の予約を取り8/9に九州へ向かいました。「最期は自宅に戻りたい」という本人の希望もあり、医者から「保証は出来ない」と言われながら自宅に連れて帰ったのが8/10。人が慌ただしく出入りする中、義母の手足をさすり、声をかけながら一日を過ごしました。
医師によれば、秋の気配が感じられる頃までであろう、という診断でした。今になってこの季節を迎え、その言葉の意味を深くかみしめております。担当医師の「お別れをしてください」との言葉に、身動き一つとれなかった義母の頬を伝った涙を今も昨日の事の様に思い出します。
Editor CABEZÓN

