リートリンの覚書

麁服と繒服 19 麁服の原料「大麻」とは? 大麻が「痲薬」となったのは何故か?下



大麻が「痲薬」となったのは何故か?


大麻が「痲薬」となったのは何故か?
きっかけとなった
アメリカの歴史、
白人とヒスパニック系の人々の
対立の続きです。


禁酒法成立の裏側


20世紀初め、
アメリカにある人物が登場します。
アメリカ連邦痲薬局長官、
ハリー・アンスリンガーです。

彼はある時から、
マリファナの追放に乗り出すのです。
そのきっかけになったのが、
「禁酒法」でした。

禁酒法成立の背景に、
最初にヨーロッパから移民してきた
プロテスタントと、

そのあと、
ドイツなどから移ってきた
カソリックの人たちとの対立があったのです。

アメリカは、
宗教的対立が原因で
イギリスから逃れてきたプロテスタントが
中心となって建国した国ですが、

建国後の、
移民の多くがカソリックでした。

現在では、
プロテスタントとカソリックは
ほぼ同じ数いると言われています。

ピューリタンとしては、
後から来た移民がお酒を飲んでばかりいて、
おまけにカソリックということであれば、

彼らを排斥したいと
強く思うようになっても
おかしくはないでしょう。

そうこうしているうちに、
1914年に第一次世界大戦が始まります。

アメリカは、
最初は独立主義を唱えて
参戦しませんでした。

しかし、
ドイツの潜水艦が
アメリカの商船を撃沈します。

そこで、
国内で急速に反ドイツ感情が高まり
1917年に参戦しました。

この過程で、
ますます
「飲んでばかりいるドイツ人を許すな」
という雰囲気が強くなっていきました。

結局、
業界の対立や女性の力、
宗教界の影響などがあり、

1917年に「禁酒法」が議会を通過。
ウィルソン大統領が署名し
「お酒は禁止」となったのです。

1920年に禁酒法が施行されたことで、
警察は取り締まりを
強化せねばなりませんでした。

そのためには、
まず取り締まりをする人間が必要です。

しかし、
禁酒法は成立し施行されましたが、
結局ウィスキーを飲むことは抑制できず、
単にギャングを増やし、
社会を不安定にしただけでした。

禁酒法は施行からわずか
13年で廃止されたのです。


「マリファナ追放キャンペーン」


ところが、
命を張って取り締まりをしたのに、
禁酒法が廃止されてしまいました。

しかし、
禁酒法の廃止と同時に
別の新しい犯罪が
急に増えるということはありません。

禁止法の廃止にともなって
捜査員が大量に余るという事態が生じました。

そこで、
痲薬などを取り締まるお役人の偉い人は、
苦労した捜査員に何とかしてあげたいと
思ったと考えられます。

禁酒法の成立時には
大陸から移ってきた
ドイツ人などが悪者でしたが、

大麻課税法制定の裏側には、
メキシコなどから移ってきた
ヒスパニック系の人たちに対する
感情的な反発がありました。

つまり、
禁酒法で活躍してくれた
捜査員の仕事先は見つかるうえ

ヒスパニック系の人たちが
街に進出してくることを
快く思わない人たちは、

これ幸いとマリファナを敵にしたのです。

そこで、
アンスリンガーは
「マリファナ追放キャンペーン」
を行いました。

医学的に根拠のない
中毒症状の映画や宣伝を流して、
世論をあらぬ方向にもっていったのです。

こんな状態でしたから、
法律の審議に入ると、
アメリカ合衆国の連邦会議は、

大麻の痲薬性、習慣性などほとんど議論せず、
とにかく大麻に大きな課税をして
実質的に使えなくするという法律を
可決したのです。


石油産業の謀略


大麻課税法が議会で可決された裏には、

当時、
ようやく合成繊維の
実用化の目途がついてきた
石油化学業界からの圧力もありました。

そのため、
大麻をはじめとした
「自然からとれるもの」、

さらに大麻のように
「容易に栽培できる作物」
を排除する力が働いたのです。

当時、
カリフォルニア大学の研究員だった
ジャック・ヘラーは
『裸の王様』という著作の中で、

大麻課税法の成立は、
「石油産業の謀略」だと書いています。

合成繊維が誕生した直後のことですから、
この記述にもうなずけます。

大麻という植物は、
気がついたらいつの間にか
「痲薬」となっていたといえるでしょう。


アメリカだけじゃないカナダでも


アメリカより先に、
1923年に
カナダで大麻が非合法化されています。

1857年、
ブリティッシュ・コロンビアで
金が発見され
中国人移民が多数流入しました。

また、
中国人移民は鉄道の建設でも
低賃金で働いていました。

しかしゴールドラッシュが終り、
鉄道が完成すると中国人が邪魔になります。

そこで、
1923年に、
中国人排斥法が制定されました。

このとき、
彼らが習慣として持ち込んだ
アヘン、そして大麻草も
禁止となったのです。


感想

武田先生の本には、

「飲んだくれるドイツ人を許すな」
と記載されていました。

ちょっとオブラートに包んだほうがいいかな、
と思いまして言葉を変えてみました。

飲んだくれていたかはわかりませんが、
当時のプロテスタントとカソリックの
対立は激しかったと。

アメリカの歴史に関しては、
世界史で勉強したはずですが…
担当の先生が釣りの話しばかりしていて
詳しいこと、全く覚えていません。

高校3年間はなんだったのか?

今回は大麻が主役なので細かいアメリカの歴史はパス。

さて、
大麻の非合法化の背後に
様々な対立があったのですね。

宗教の対立。

民族の対立。

はぁ😩

正直言って、
人種差別はアホなことだと思います。

人間のルーツをDNAを辿っていくと、
母系の遺伝子はアフリカにいた
一人の女性にたどり着きます。
それは父系の遺伝子も同じく。

生まれ育った場所の環境で
肌や髪や瞳の色が変わっただけで、
もとを辿れば皆同じ祖先にたどり着く。

もしかしたら…
人間は宇宙人の遺伝子操作で出来たのかも…
人種の違いは、
人間を作った宇宙人の違い?な〜んてね

そう考えると人種差別なんて
アホとしか言いようがない。

宗教も同じです。

沢山の人がいる地球。

魂の段階や環境によって
価値観が多様化している。

それぞれのレベルや考え方に合わせ
神様があちこちで教えをした結果、
宗教が沢山できただけ。

あ〜でも、神様以外の教えも若干あるかもね。

そして、
神様が沢山いるのではなく、
教えを受け取った側のレベルで
神様の姿の見え方が違っただけ。

元々神様は一柱だと私は思うのです。
そして教えもひとつ。

だから、宗教間の争いもアホの極み。

そんなアホの極みで
神聖な植物が悪へと変えられてしまった。

植物が悪いのでは無く、
使う側の利用の仕方に問題があるのです。

本日は、
「大麻ヒステリー 思考停止になる日本人」
武田邦彦先生の本と
ウィキペディアを参考に
記事を書かせていただきました。

最後まで読んで頂き
ありがとうございました。

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