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アニメ版とラストが違う~劇団四季「ノートルダムの鐘」

2017年06月22日 | 観劇・コンサート
1996年、ディズニーアニメ「ノートルダムの鐘」を見て、音楽の厚みと物語の深さに圧倒された人も多かったと思う。
しかし、劇団四季による舞台版は、アニメ版のようなハッピーエンドではなかった。
原作は「レ・ミゼラブル」の著者ヴィクトル・ユゴー。(原題「ノートルダム・ド・パリ」)

主役のカジモド(飯田達郎)が素晴らしかった。
話す言語は拙く、しわがれた悪声。
しかし、心の内を語る時は、美しい声でのびやかに歌う。
エスメラルダ(宮田愛)を殺されたカジモドが、聖職者の真実に気付いた時の絞り出すような声!

「悪人はお前だ!」

カジモドの育ての親である聖職者フロロー(野中万寿夫)もまた、自分の歪んだ欲望に苦しむ「怪物(=人間)」だった。

合唱、とくに男声合唱の厚みが凄かった。
劇団四季の中でも、とくに歌の上手い人を揃えたような感じがする。

大きな舞台転換はない。
ある時は壁、ある時は扉、またある時は欄干になるなど、小道具を様々に利用した演出はさすがだ。
「アラジン」や「美女と野獣」のような華やかな舞台と違い、「ノートルダムの鐘」はモノクロな世界観だが、それがいい。
ユゴーの人間ドラマを描くのに、余計なものはいらないのだ。

ただ一点。
小説の地の文のような「説明」が度々入るのが、物語の勢いを妨げているように感じた。
 ☆
「ノートルダムの鐘」は来年4月から、横浜公演が予定されている。

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