僕は名もない凡人でいたい

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今日という一日

2012年09月04日 | 闘病記

昨夜は雷

大きな轟音が病室にまで響き渡っていました。

わたしは、天気が大荒れだった5月初旬を思い出しました。

竜巻、地震、そして雷・・・・・・日本がどうかしちゃったのでは、と思いたくなるほど今年の春は大荒れだったように思います。

その頃わたしは、準無菌室の中で雷と地震をどこかうわの空で感じながら、ただひたすらに「死」を見つめていました。

今朝になって、ふと窓の外を見ると虹が出ていました

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◇◆◇◆◇◆

火曜日は教授回診です。

メガネをかけ小さくて太った人が教授で、そのあとに若い医師がゾロゾロと付いて回り、患者ひとりひとりを診て歩きます。

教授が患者の胸に聴診器を当てると、後ろにいる若い医師たちにも患者の心音が聞こえるしくみです。

いつも回診の直前に、主治医がチラリと顔を見せに来ます。

「調子はどうですか?」「変わったところはないですか?」「もうすぐ回診にまた来ますね」

そしてわたしの番。

主治医は教授にザックリ状況説明をします。

「病名は急性リンパ性白血病です。寛解導入で寛解しており、現在地固め療法2コース目です。状態はおおむね良好です」

たくさんの医師たちの目・目・目・・・・・・。

わたしも若い医師ひとりひとりの顔を覚えようと見返します。

◇◆◇◆◇◆

教授回診が終わってトイレへ行こうと廊下に出たら、数十人はいるかと思われる医師がズラ~リ。

主治医(男)と担当医(女)に名前を呼ばれて「どうですか?」と聞かれました。

数分前にも会ったけど(笑)。

先生のところに寄っていって「変わりありません。ウフフ」と言うと「良かったです。うふふ」と返してくれます。

◇◆◇◆◇◆

そして、いざトイレへ・・・・・・。(やっとか)

わたしは、治療の影響で歩くのがとても遅くなってしまいました。

廊下をノロノロ歩いていたら、後ろから「ドン!」と床を叩きつける大きな音が。

止まって振り向くと、以前、病室で騒いでいた女性がお互いの体がぶつかるスレスレのところでわたしを追い越していきました。

「どけよ!」

という心の声が聞こえそうな威圧感です。

わたしは彼女に「女番長」とあだ名をつけました。

女番長はいつもなにかに怒っています。

主治医の治療方針、看護師の自分に対する扱い、病人、そして通行人にも・・・・・・。

ナイフみたいにとがって

触るもの皆

傷つけるのです。

◇◆◇◆◇◆

お昼前には皮膚科を受診。

他の科の診療は、外来のお客さんと同じ場所で見てもらいます。

待合室で待っていると、真っ赤な口紅をつけたおばさんが「お先に」と笑顔であいさつしてくれました。

「どうも」と会釈をすると、急におばさん立ち止まって

「あなた、一体どうなさったの?」

と話しかけてきました。

点滴台を引き連れ、マスクに帽子姿なのが異様だったのかもしれません。

「白血病で入院中です。おほほ」

と答えると、あらっと一瞬驚いた表情をして

「それじゃ近寄っちゃいけないわね。ごめんなさい」

と言っていそいそと帰っていきました。


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4 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
素晴らしい虹ですね~ ()
2012-09-04 17:20:45
素晴らしい虹ですね~
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虹って、人は生涯に何回ぐらい見るんだろう・・・... (MI)
2012-09-05 07:56:29
虹って、人は生涯に何回ぐらい見るんだろう・・・。私の場合、1年に1度も見ていませんね。だからたまに見ると忘れられない。この夏、日光で雨に降られて、その後虹がかかったのが一番最近の思い出です。
病室にいながらにして虹を見られるなんて、とってもラッキーだと思います。
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欄さん (liberta)
2012-09-05 10:41:04
欄さん
本当は180度ちかく見えたんですよー[E:happy01]
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MIさま (liberta)
2012-09-05 10:46:24
MIさま
虹って不思議ですよね。
見つけると大人も子供みたいにはしゃいだりして[E:happy01]
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