ありがとうのブログ

毎日、家族や仕事関係の人たちとのふれあいで感謝していることをつづります。

父に伝えた感謝

2015年05月07日 17時43分12秒 | Weblog
父は昔、自分が犯した失敗をずっと後悔している。
私にすまないと強く思っていると感じる。
私はもう終わったことは戻らないと会うたびにずっと伝えても、心残りでずっと繰り返す。
これも老いなのだろう。
その後悔で自分を責めて責めて、体調を悪くしているのではないかと、ふと思った。

今日は父に感謝の言葉を伝えるのだと強い決意をもって、自転車を走らせた。

父が住むグループホームに到着して、リビングに座っていた父に会うと、すぐに、発熱の熱を下げるために、冷やされてよく眠れなかったと不満を訴える。

85歳で、食事もあまりとらず40kgに満たないガリガリに痩せた父の体力を奪う、熱を下げようと、夜中も2時間ごとにホームの方が冷やしてくださったのだ。
クレーマー老人の父をよく世話してくださっていると、ホームの方々に感謝を伝える。
自分はこんなクレームばかりの方に対して、忍耐で世話ができるか。

担当内科医とホームを経営している社長と自分で、今後の医療方針を話し合う。

まず発熱をとって体力をつけるために、栄養を入れる点滴処置をする。
食欲と体調が戻ることがまず第一優先。
血液検査で他にこの体調が悪い原因がないかを調べる。
重大な疾患が見つかればすぐに入院措置をとる。
そこで、点滴をする。
重大疾患が見当たらなければ、ホームに戻って点滴をする。

胃瘻や点滴を胸に入れるような、メスを入れることは断った。
腕からの点滴措置でまず食欲と体力を少しでも戻すことを希望した。

医者は明らかに、患者の父に対して悩んでいた。
言葉の毒を吐かれたのだろう、と想像する。
父の言葉は強い。
それはすべて、自分への責めからくると想像している。
それを取るには、まず私が父に対して感謝の言葉を伝えて、母と息子と私の3人で撮った写真を印刷してクリアファイルに入れて、父に渡した。
表情が和らいだ。

85歳の最後の日々を、自分や周りを責める言葉で苦しませたくない。
なんとか少しでも心穏やかな時間が増えてほしいと祈る。

私が良い教育を受けさせてくれて、ありがとう、忘れない、と伝えると、父は、わしこそここまでしてくれて感謝している、と細い声量で絞るように言ってくれた。

やっと私たち親子に温かい空気が流れた。

父が良い最後の日々を送ってもらうために、お金もかけられない、痛い思いもしてほしくない、という私には、感謝の言葉をかけ続けることしかないなあと決めたのだった。



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