花は生活を彩る豊かさと華やかさを表します。
もちろんお金がある豊かさもそうでしょうけれど、
心の豊かさ、ゆとりをも表し、そしてもたらします。
もう30年ほど前、当時していた仕事である高齢者のご家庭を訪問した時、
その方の居室に道端に咲いているような草花が小さな花瓶に挿されていたのです。
あまりの美しさに、とても同じものと思えず(観賞用として販売されている物もありますし)
「きれいですね。なんという花ですか?」
と聞いたところ、その方は笑われて、若い人は知らないだろうけど(当時は私も少々若かったのです・笑)、庭に咲いている花だと名前を教えてくださいました。ヒエと紫苑とのことでした。
お嬢さまが、家にこもることが多い無聊をなぐさめようと、庭から摘んで挿しておられるとのこと。
私も真似をしてみましたが、さすが雑草、長持ちしますし、そして目になじんでいるためか床しく愛らしいです。
花屋で見つける華やかさではない素朴な美しさがあります。
花屋の花ももちろん飾るのには最適ですが、たまにはこのようなことも楽しいですよ。