さてと。今日は和風も飽きたし、ここらでカレーにしよっかな。ひき肉と豆のカレー。
この5年でスーパーの売り場も結構変わった。まるで浦島太郎気分よ。
最近は大豆だけでなく、いろんな豆が売られててイイよねー。レッドキドニーとか。
今日はここしばらく続いている料理ネタにちなんで、この本を紹介したいと思うのさ。
「ふたりのロッテ」。いやぁこれはもちろん料理本ではない。
どこの小学校の図書館にも必ずあるんでない?ケストナーの児童本でアールよ。
「点子ちゃんとアントン」とか。ね?見覚えあるでしょう。
「少年」文学全集ってとこに、ナンカ時代を感じるね。1962年発行だって。
実は私はこれを、子どもの頃でなく母親になってから・・・つまりエエ大人になってから読んだのだ。
こういう本って結構あるの。小さい子を育ててると、図書館に行く機会が結構あってさ。
肝心の息子はこういう本には大して興味がなかったけれど、私が夢中になってしまった。
大人になって読む子ども向けの話ってのも、ナカナカエエもんやで。
でよ、この「ふたりのロッテ」は、ふたごの話・・・
赤ん坊の頃に両親が離婚して、離れ離れになっていたふたごが、避暑地のサマースクールで偶然出会うところから始まる。
な?考えてもみ。彼女らはそれぞれに片親と暮らし、自分は一人っ子と思いこんでいたんやで。
そこへ自分そっくりの姉妹がいきなり現れたのやから。
まわりはもちろん、当人同士の驚きといったら!!
『私のあずかり知らないきょうだいが、親が、この世界のどこかにいる・・・』
子どもの頃、誰もが思い描いたことのあるファンタジーかもしれない。
10年ものあいだ離ればなれになっていた、自分の分身に初めて出会った。ふたごはたちまち意気投合する。
そして、二人は奇想天外な計画を立てる。。。。
周りの誰も見分けのつかないほど、そっくりな二人。それを利用して、入れ替わることにしたのだ。
父と住んでいたルイーゼは、母のいるミュンヘンへ。
母と住んでいたロッテは、父のいるウィーンへ。
お互いに生活を入れ替え、もう一人の親と暮らす。うまくしたら両親を仲直りさせられるかもって・・・・
いくらそっくりとはいえ、別人に成り替わるなんて。んねぇ?無茶としか言いようがない。
あまつさえ、やんちゃで大雑把なルイーゼと、大人しくて几帳面なロッテ。
それぞれがお互いに成り切ろうとするところが可笑しい。
まわりの友達も大人たちも、サマースクールからこっち、あの子はすっかり変っちゃったのねって・・・
誰も別人だと気づかないのだ。ルイーゼの友達だった犬のペペールを除いて。
・・・・とまぁこんなような話なんやけどさ、どこに料理がからんでくるかというと、ココ。
ふたりは菊倍版の帳面を前に置き、エンピツを手に持っています。
ちょうどロッテが書き取らせることをルイーゼがせっせと書きつけているところです。
「おかあさんの一番の好物は、牛肉入りマカロニ・スープ。牛肉はフーバー肉屋で買う。
かのこまだらのヒレを半ポンド。」(訳:高橋健二)
舞台は、サマースクール。二人が入れ替わるための打ち合わせをしているところ。
読んでわかるとおり、ロッテは働いているお母さんのために、常日頃から買いものと料理をしている。
しかしルイーゼは、家政婦にまかせっきり。料理なんてしたことがないのだ。
「お料理なんて、あたし、こわくてしようがないわ。
はじめのうちしくじったら、休暇のうちに忘れちゃった、っていってもいいわね?」・・・・
その言葉通り、初めての料理はさんたんたる出来。いくらロッテが教えてくれたレシピはあるとはいえ、、、
お母さんが帰ってくる前のキッチンで孤軍奮闘するルイーゼのパニックぶりが、この話の最大の見せ場なのだ。
そう、料理っちゃぁそういうモンなのよね・・・
私のみならず、料理をしたことのある人なら、「わかるわかる!」ってうなずいちゃう体験。
遠い昔に通り過ぎた、だけど誰もが通り過ぎる体験が、このドイツの児童本にも書かれてるんだすよ。
この続きは、また次に。
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