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練習を見学し衝撃!障害あってもできるスポーツがある
大宮在住、電動車いすサッカーのプレーヤー…夢は日本代表でW杯に
助けてもらうのだから「自分も誰かを助けたい」…母親とヘアドネーションも実施
1/19(日) 14:38配信
埼玉新聞
「日本代表になってW杯に出たい」と夢を語る高坂真規さん
電動車いすサッカーをご存じだろうか。専用の電動車いすにフットガード(バンパー)を取り付けて行う
サッカー競技だ。コントローラーを手や顎などを使って操り、
重さ約200キロの電動車いすが時速10キロで激しくぶつかり合う。
比較的重度の障害のある選手が多い。埼玉県さいたま市
大宮区在住の高坂真規さん(19)は、電動車いすサッカーで
ワールドカップ(W杯)出場を目指している。
5年伸ばした髪をヘアドネーションする高坂さん
=さいたま市大宮区の美容院「ヘア&メイク アース」大宮駅前店
■筋ジストロフィー
高坂さんは、生まれつき筋力が徐々に低下していく難病「筋ジストロフィー」を患う。
市立大宮小学校の普通学級に通っていた4年生の2学期ごろから、
よく倒れるようになった。3学期には完全に車いすの生活に。そのころ、
日本筋ジストロフィー協会で知り合った先輩に誘われ、
電動車いすサッカーの練習を見学した。「障害があってもできる
スポーツがあるんだ」。衝撃とうれしさが募った。
6年生で蓮田市内のチーム「ブラックハマーズ」に加入。プレーヤーとして
スタートを切った。中学、高校は蓮田特別支援学校に進んだ。
■ヘアドネーション
競技用電動車いすを使用するに当たり、本人の障害に
合わせた改造が必要となった。高坂さんの場合、障害が重く、
背骨が左右に湾曲しているため、改造に時間も費用もかかる。
高坂さんは、高額の費用の一部を捻出するため、
クラウドファンディング(CF)に挑戦した。同時に
「助けてもらうのだから、自分も誰かを助けたい」と、
髪の毛を医療用ウィッグの素材として寄付するヘアドネーションを決意した。
中学2年生だった。
昨年10月、高坂さんの姿は市内の美容院に。
5年間伸ばした髪をいよいよ切る時がきた。
「生まれて初めて美容院に来たので緊張する」と高坂さん。
60センチ髪を切り、短く整えるまで約1時間。一緒に
ヘアドネーションを実施した母親の弘美さん(61)は
「本当にたくましくなった。サッカーもほかのことも頑張ってほしい」
とほほ笑んだ。NPO法人と協力し、ヘアドネーションを行っている
美容院「ヘア&メイク アース」の美容師、大内拓也店長は
「こういう形で関われてうれしい」と話した。
■ステップアップ
ブラックハマーズは2018年に長野県で行われた
全国大会で準優勝。高坂さんは、日本代表候補の
選考合宿に呼ばれたものの、最終的な代表選手8人には選ばれなかった。
23年にオーストラリア・シドニーで開催された
第4回電動車椅子サッカーW杯で日本は7位に終わった。
高坂さんは昨夏、さらなるステップアップを目指し、
東京・多摩地区を拠点とするチーム「レインボー・ソルジャー」に移籍。
「26年にアルゼンチンで行われるW杯に日本代表で出場したい。
そして、いつか電動車いすサッカーのプロになりたい」。夢の実現に向けて踏み出した。
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