今年もあとわずかですね。最近は休みが少ないので、なかなか出かけられませんでした。しかし、12月になって、少し余裕ができたので、久しぶりに県内の上毛(こうずけ)三碑である高崎市にある、多胡碑、山ノ上碑、金井沢碑に行ってきました。碑のどこが貴重かとお思いになるかもしれませんが、その内容によって建立された年代が特定できる点にあります。多胡碑は国史跡で日本三碑(栃木那須国造碑、宮城多賀城碑)の一つにも数えられています。碑の内容としては、和銅4年(711年)に多胡郡が設置されたことが書かれており、1300年前の地方の成り立ちを示す重要なものです。また、山ノ上碑(国史跡)は671年に佐野三家という大和政権の地方管理一族が建立したもので、隣にある山ノ上古墳の埋葬者でもあります。古墳の年代が特定できる意味でも貴重なものです。金井沢碑は726年にこの地方を管理していた屯倉(地方役人)の子孫が先祖や父母を供養した旨書かれています。この三碑は5Km圏内でハイキングコースもあるので、皆さんも訪れて、古代の碑に思いをはせてみるのはいかがでしょうか。
多胡碑、美しい書体は書道の手本にもなっています。
山ノ上碑、隣の山ノ上古墳の埋葬者一族がたてたものです。
山ノ上古墳。7世紀の終末期の古墳。横穴式石室があります。
金井沢碑。洗濯板として使われていたそうです。
三碑とも覆屋の中で保存されています。