今日は急に暖かくなりましたね。ここ前橋も20度を超え、五月並の気温のようです。そんな中、花粉症の症状が出てきました。今年は、昨年より飛散量も多いということで目もかゆいです。
さて、そんな中、昨年末に世紀の大発見として全国の歴史ファンの注目を浴びた群馬県渋川市の「金井東裏遺跡」から発掘された「甲を着た古墳人」を公開している群馬県埋蔵文化財調査事業団に行ってきました。古墳時代の甲(よろい)が、実際に人が着装した状態で出土したのは全国初であり考古学ファンが並んでいました。
金井裏遺跡から発掘された甲を着た古墳人は6世紀初頭(古墳時代後期)に噴火した榛名山二ツ岳の火山灰で埋まった溝から、甲(よろい)を着装した状態で発見され、成人男性人骨と見られています。
そのほか、現場からは乳児人頭骨1点、甲冑(かっちゅう)の部品1点が出土しました。甲を着た古墳人は、ほぼ全身の骨が残っており、榛名山の方向を向き、後頭部を上にし顔を伏せていました。状態から膝(ひざ)立ちの姿勢のあと前方に倒れたと推定できるそうで、 古墳時代人が榛名山二ッ岳の火山災害(火砕流(かさいりゅう))に遭遇し、その場でうつ俯せ状態で死亡したと考えられます。
この状況からすると、目の前に迫り来る火砕流に甲の姿で立ち向かっていてのみこまれたのに、1500年前の人骨や甲が当時の状況がリアルに残っていたのは本当に奇跡ですね。
説明によると窪地であったため、保存状態が良かったのではないか、または火砕流も思ったより高温ではなかったため、焼けずにすんだとも考えられるということです。
実際見てみたら、甲の上にはうつぶせになった頭蓋骨、腕や指の骨、足や大腿骨などが見事に残っていました。今後甲の中の土を取り除くほか、人骨の調査を進めるそうです。
研究の結果、様々なことが明らかになることを楽しみにしています。
今日が公開最終日。多くの人が並んでいました。
うつぶせの状態です。後頭部と左腕の状態がはっきりわかりますね。背中には甲が残っています。
人骨を下から見たところ。下肢骨(足骨)ははっきりわかりますね。
両足の骨がよく残っています。
全体。右が頭部です。
現場は多くの人が見学に訪れました。大発見に全国の注目を集めました。