まあるい地球

雑多な内容のブログです。

日記 父の癌 2

2023-05-28 08:06:09 | エッセイ
当時私は小学生で、放課後、校内で友人と遊んでいると、私に、アナウンスで呼び出しがかかりました。

『なんだろうね…』などと友人と話しながら職員室へ向かい、職員室の出入り近くに座っている先生に、『○○先生お願いします。』
と言ったんだと思います。

担任が涙を拭うように目にハンカチを当てながら、近づいて来たのを今でも鮮明に覚えております。

その、めちゃくちゃ怖い担任の女性教師は、私にだけ、すぐに帰宅するように告げました。
 理由は一切言いませんでした。

それでも私は想像が追いつかず、ただ黙々と、長い家路を歩いたのでした。


帰宅してみればそこには、普段いない親戚がいたりして、かなり騒然としておりました。

母の姿は見当たらなかったと、記憶しております。


続く…












日記 父の癌

2023-05-28 08:05:46 | エッセイ
日記 父の癌

父の癌が発覚したのは、40年程前になるでしょうか、
享年53歳の父でございました。

さぞかし痛い闘病だったと思います。

今みたいにインターネットで調べる、なんて出来ない時代の中、母はどこからか、癌に効くと小耳に挟んだ情報を、ほぼ全て実行したと思います。

生きたドジョウなんかも、父は丸呑みしておりました。
タバコなどもメンソールに変えたり、ありとあらゆる事をしておりました。

東京の大きな病院に手術入院した際には、癌は飛沫感染する可能性があるとの事で、母が見舞いに行った時には、数メートル離れて面会していたそうです。
屋外の3人がけのベンチに一人で座り、その隣のベンチにもう一人が座る、といった具合であったそうです。

父は散々手術をした挙句、最終的には声はボイスチャージャー(かな?)になりました。が、然程使う事もなく死を迎えました。


まだ自宅で闘病している頃に、奇妙な話が一つあったと、母がよく話しておりました。

一人の見知らぬお婆さんが、背中に風呂敷を背負って訪ねて来たそうです。 

銅像だか木造だか、忘れてしまいましたが…
お釈迦さまだったかな…

置き物を買いませんか?
との事でございました。

対応した母は、今それどころではないとの事でお断りしたところ、そのお婆さんは去って行ったそうです。

父に誰が来たのか聞かれた母は、その話をすると、父は興味があったそうで、母は慌てて外へ飛び出して、そのお婆さんを探したそうです。

幾らどう探しても見つからず、不思議だったと、後年母がよく話して聞かせてくれました。




続く