井戸端会議復活！

歴史を遡ること数百年。
徳川時代の庶民の多くは平屋建ての長屋に住んでいた。

そこでは真ん中に井戸があり、
住民は水汲みや、洗濯のためにこの井戸の周りに集まる。
自然とおしゃべりや亭主の愚痴に花が咲く。

時代劇のお決まりのシーンが浮かんでくる。

井戸端会議とはよく言ったものだ。


時は移り、高層マンションが林立し、一戸建てが立ち並ぶ時代と共に
この風景は跡形もなく消えてしまった。

が、最近この井戸端会議が復活しつつある。
というと俄かには信じがたいがどうもそうらしい。

ただし趣は少し違ってきているようだ。

小生、リタイヤ後は時々ウォーキングを試みているが、
ちょくちょくこの井戸端会議に出くわす。

いまどき井戸端会議なんてありえないと思われるだろうが、
種を明かせばなんでもない。

”犬端会議”である。

ウォーキングの途中で犬を連れた方とよく出くわす。
公園や広場があると数人いや数匹が集まり、談笑したりじゃれあっている。

結構これが今風の井戸端会議風コミュニケーションのスタイルらしい。

それにしても、将軍綱吉ではないが、お犬様々である。
あだや粗末に扱ったりするまいぞ。

様子を伺うにそれぞれが違った場所に住んでおり、
お互い日常の生活ぶりまでは知らない同士が集まっているらしい。

従っておのずと会議の議題は限定され、濃密な関係にまでは至らず、
さらっとしたお知り合い程度の距離が保てるのがいいようだ。

かくして新しいスタイルの井戸端会議が復活した。

引きこもり族が増えつつある昨今、
ともかく少しでもコミュニケーションの輪が広がることは喜ばしいことだ。

お犬様万歳！