ワンコとマジョのくらし

マジョおばさんの毎日の暮らしを紹介しま~す。

江戸の職人が逝ってしまった

2013-06-21 21:23:07 | 仕事

アタシの母は6人姉妹弟の真ん中の生まれでした。
祖父にあたる人は左官業を営んでいました。
一番下の新吉おじさんも左官屋でした。
幼いころ母に連れられて母の実家に行くと、店には砂、泥などが積み上げられて、何か子供心に面白い場所でした。

アタシの実家の壁も新吉おじさんに塗ってもらった壁です。

我が家の最初の家は注文住宅で建てましたが、30年以上も前のことですが・・・木舞という竹の格子状の枠に泥壁を塗って作る壁でした。
この壁を作るには泥を捏ねる場所が必要ですし、塗った後も十分乾燥させる時間が必要でした。
そのかわり余分な湿気を壁が吸収してくれるので家がカビで悩まされることはありません。
今のように新建材の家でアレルギーに悩まされることもなかったはずですね。

しかし時代とともにエコに優しい泥壁の存在は薄れていったのです。

新吉おじさんの仕事は時代とともに需要がなくなっていったのです。
おじさんはお茶の炉を作ったりしていた時代がありました。
しかし根っからの左官屋だったのです。泥が好きだったのでしょう!
全国のいろんな色の、いろんな種類の泥を集め研究していたようですよ。

日本古来の壁に大津壁という磨きがあるそうです。
おじさんはこの技法に改良を重ねて土、砂、藁を芯にして塗り重ねるという技法をあみだしたようです。
アタシも何年か前に手のひらに乗せてもらったことがあります。

綺麗な光沢のある泥団子です。
今ではこの技法を使って壁、床が磨かれエコに優しい建築が実践されているようです。
おじさんの周りには何時も芸大生が教えを求めて集まっていたそうです。

そんなおじさんも85歳、この17日に逝ってしまいました。
呼吸器疾患で酸素ボンベが手放せなくなっていましたが・・・最後まで仕事していたようです。

祭壇の写真は!新吉おじさんらしい”いい男”でしょ!
姉弟の中でも一番母に似ていたのがこのおじさんだったわ。
江戸っ子気質のおじさんは幾つになっても悪ガキが大きくなったような・・・憎めない人でした。
死に顔もいい男だった。呼びかけたら”オォツ~!”いって起きてきそうな気がしたわ。


おじさん愛用の仕事の道具


こんなものまで作っていたんだね~


おじさんは晩年かなりの有名人だった。
テレビ、新聞、雑誌にたびたび登場していた。
”出るからみろよぉ”なんて電話があったときは”またかよぉ~”なんてね・・・思っていたけど・・・
もう~出ることないね・・・


さようなら”おじちゃん
お通夜にはたくさんの方がお参りに来てくれました。
あちらでは、また母と言い合いしてるかもね・・・

これで・・・母の兄弟はみ~~~んな居なくなってしまったわ!
これからは母の生き様をアタシが追いかけることになるわ。



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2 コメント

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Unknown (プチみろ)
2013-06-22 06:24:59
私もテレビでずっと前にみたことがあります。
おじさんだったとは驚きです。
きちんと手入れの行き届いた道具をみると江戸っ子の意気込みをかんじます。
まさに いい男!!
だったんですね~
ご冥福をお祈りいたします。

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いい男! (majyo)
2013-06-22 15:49:25
父方の祖父も江戸っ子で喧嘩早く酒飲み!
この手のいい男は女泣かせだったようです。
おじちゃんもおばちゃんを泣かせた時期があったようです。
おばちゃんは金の指輪をたくさん持っていて、質屋通いには、これが一番いいそうです。
そんな時代でした。昔の話は面白いよ。
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