陣城造りの名手だった織田信長、鉱山開発を援助して銀を軍用活用した毛利元就、山国出身なのに港湾整備に成功した武田信玄…。「経済力」「軍事力」「領国における支配力」の視点から、戦国武将の強さを読み解く。
インフラから読み解く武将たちの強さの秘密。織田信長は臨時に造られる陣城造りの名手だった、鉱山開発を援助して銀を軍事活用した毛利元就、山国出身の武田信玄が港湾整備を成功できた理由など、土木工事を通じて見る新しい戦国武将たちの姿
第１部 経済発展を支えたインフラ事業（織田信長×安土城城下町―巨大経済圏の誕生を支えた織田信長の土木工事
武田信玄×金山―誤解されがちな武田家と金山開発の関係に迫る
上杉謙信×直江津―特産品を出荷する港湾都市の整備に着手 ほか）
第２部 土木工事で戦に備える（織田信長×陣城―前線に造った臨時の城で敵をじわじわ攻め落とす
織田信長×石山本願寺―一向宗の建築技術が織田信長を苦しめ続けた
武田信玄×港湾拠点―ゼロから水軍をつくった信玄の港湾整備の秘訣 ほか）
第３部 領国経営の基盤を強化する（武田信玄×信玄堤―盛られ過ぎた信玄の治水事業の実態
北条氏×小田原―北条５代の土木工事で支配体制を盤石に
朝倉氏×一乗谷―足利将軍邸に範をとった時代を象徴した城下町 ほか）
築城の名手・光秀
イエズス会宣教師ルイス・フロイスから
「築城について造詣が深く、優れた建築手腕の持ち主である」と評価されている。
坂本城・・・安土城に先んじて天守を備えた光秀最大の城で、後にフロイスから、安土城に次ぐ巨大な城だと記録している。
そんな巨大な城を築いたのは、延暦寺の監視と琵琶湖の制海権獲得が目的である。
丹波は国衆の自立性が高く、さすがの光秀も苦戦したが、4年の歳月をかけてなんとか攻略に成功。
光秀はまず、口丹波の要所として亀山城、奥丹波の要所として福知山城の建設に特に力を入れた。
松永久秀×多聞山城（たもんやまじょう）