通商破壊戦に暗躍したドイツ潜水艦の戦い!
緊迫した戦場の息吹を伝える厳選フォト300枚の迫力。
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激闘!Uボート
Uボート戦略史
Uボート型式変遷
エレクトロボート21型
艦首に防潜網カッター
ブンカー:コンクリート壕
U570
1941年8月8日にハドソン機の攻撃を受けて戦闘力を残したまま降伏した艦。
急報で現場へ到着してU570を捕獲した英駆逐艦パーウェル
対Uボート戦術の確立に寄与してチャーチル首相から
「素晴らしいプレゼント」と呼ばれた。
U744
1944年3月6日、護衛艦多数に攻撃されて浮上降伏し、艦内のエニグマ暗号機とコードブックなどが押収されたU744
U1002
7C41型は深深度潜航能力と艦内機器を一新したタイプで1943年に88隻が建造された。
U1060(7F)
乗員28名の特殊な魚雷補給船で4隻のみ建造された。
艦内の指揮所後方に24本の魚雷を並列収納することができた。
U2502
エレクトロボート21型のU2502と、23型のU2326が見え、両艦のサイズが比較できて興味深い。2種のエレクトロボートのうち23型は大戦末期に実戦に投入されて信頼性が高かった。
艦橋の前後形状が違う。23型は現在の潜水艦のものに近い。
21型は機器を自動化するための油圧装置の故障が多発して修理のためドッグ入りすることが多く戦力化できなかった。
ゼーフント(あざらし・27B)
大戦末期に9種類1,288隻もの特殊潜航艇が生産されたが、ほとんど実戦では役に立たなかった。
乗員2名。60馬力エンジンで航続力500キロ。
実際には厳冬と荒れる海では全長11mの小型艇では戦闘力は充分ではなかった。
マルダー(てん)
魚雷を2本重ねた形状の潜航艇で1944年に300隻建造された。
特殊潜航艇乗員は「ヒトラー・ユーゲント」の少年たちが予定された。
この艇のハッチ構造は内部から開かず、のちに連合軍は自殺兵器と呼んだ。
モルヒ(いもり)
マルダーより進化して390隻が完成した。
艇の左右に魚雷2本を装備したほかに潜航能力が付与された。
目立った戦果は挙げられなかった。
ビーヴァ(海狸)
ガソリン搭載艇で324隻が建造された。
一酸化炭素が洩れる欠点があり、G7e電気魚雷の搭載電池を3分の2に減じて2本を艇の左右に搭載した。
9型は長距離高速攻撃機として設計されたもので、派生型は8種あり全部で196隻が建造された。
9型は4万5000キロにおよぶ長大な航続力を生かして南大西洋からインド洋まで活動した。
1944年に英空軍のブロック・バスター爆弾:5.4トンの直撃を受けて爆風で転覆したブンカー内。1945年になると英軍は地震爆弾グランド・スラムやトール・ボーイを用いてブンカーを破壊した。
7C型は単殻船体を外殻が覆う構造で、両殻の間は海水が自由に通水するので両舷に通水穴が開けられている。また甲板は、防氷のために硬木製になっていた。
前方甲板上のT字型の水中聴音機は海水の濃度や諸条件にもよるが、単艦なら20キロ、船団なら100キロくらいまで探知できた。
9型は作戦海域に迅速に到達するために洋上速力(水上で18.2ノット、水中で7.7ノット)を重視した大型攻撃Uボートで長距離作戦に用いられた。
甲板上の88ミリ速射砲、艦側面の自由通水孔。
7C型は最多の577隻が建造され、完成度が高かった。
艦尾の魚雷発射管が若干盛り上がり、2列の自由通水孔などが特徴の7a型
G7e電気魚雷(G7aは蒸気ガス推進魚雷)
直径53.3センチ、全長2.44m
性能発揮には艦内で常に摂氏30℃に余熱しておく必要があった。
無航跡だった。
ドイツで「アール=うなぎ」と呼ばれた魚雷は高価な兵器で、推進機器と連動する誘導装置、炸薬弾頭、磁気起爆ピストル、深度維持装置から構成される。
上部レールとホイストを用いる人力装填で魚雷員の作業は重労働だった。
ドイツでは電気、蒸気ガスの2種の魚雷が7万本製造され、1万400本を発射したが、うち誘導魚雷は500本ほどだった。
魚雷発射に必要な圧縮空気シリンダーは発射菅と艦側の間にあり、発射時の圧搾空気はUボートの存在を暴露しないように、海面に出さず発射管内の巧妙で簡単な浮動ピストン装置により艦内に放出された。
空気導入筒シュノーケル
この装置により潜航しながらディーゼルを駆動して充電を行い連続潜航できたが、乗員の健康面でいくつかの問題があった。
海上に突出した吸入口頭部は距離10キロほどでレーダー探知されたが、護衛艦や哨戒機はディーゼルの排気煙でも発見することができたという。
潜望鏡はベルリンとイエナにあるカール・ツァイス社とオランダのネデインコス社で生産された高価な機器だった。
9型も7型も
①攻撃・夜間潜望鏡
②偵察潜望鏡の2種が搭載された。