命と共に（３）

けれどそれは思い上がりだと気付かされました。

命と共に（１）の続きです。


アロマを始められてから
かなり調子が良くなってきたように思えていたけれど
やはり病巣が消えているわけではなく
３月の中頃から階段を自力で登るのは厳しくなり
ご家族の方が抱いて２階に上がられるようになりました。

自宅で受けた方が体に良いのではと言うご家族の勧めにも
「サロンに行って受けたい」とのご本人の意思を
ご家族は尊重されました。

わざわざうちまで通う事はご家族にとっても大変。
それでもＭさんの気持ちを大切に思うご家族に感動でした



この頃から病状が進まれて行ったように感じました。
そして、私は自分の覚悟の甘さを痛感したのです。



Ｍさんとご縁を頂いた時
父の事もあって「緩和ケア」や
「終末期のケア」の末端のお役に立てるのはとても嬉しい。
これは父が結んでくれたご縁だと思いました。
そしてしばらくの間は調子が良くなられて
「私はお役に立っている」と喜んでいました。

けれど病状が進んだ時
「もし、施術中に何かあったらどうしよう」
「救急車を呼ぶ事になってしまったら・・・」
そんな事が頭に浮かび、不安が湧き出てきました。



お役に立てているなんて単なる自己満足で
こんな事で不安を感じるのは
本当に終末期である事をわかっていなかった。


そんな自分に気付かされてしまいました。




そしてこの時、改めて覚悟を決めました。

うちに来て頂いている間に万が一の事があっても致し方無い。
Ｍさんが望まれる間は精一杯心を込めて施術させて頂こうと。



そしてとうとう、うちにいらっしゃる事が厳しくなり
４月１２日からＭさんのご自宅に出張する事になり
この日から２４日無くなる前日まで
毎日出張アロマをさせて頂きました。