ようやくお知らせをすることができます。まずは、2月24日の本会議質問からです。映像でもお知らせできることになりました。お時間ございましたらご覧くださいませ。
(携帯からは開けない場合もあるようです。至急改善していただきますね💦)
■「再犯防止施策について」
再犯をさせないということは、被害者をうまないということでもあります。犯罪に戻らない、戻さない、立ち直りをみんなで支える。すべての人の命を守る。そのために「地方再犯防止推進計画」をつくりながら、実質的なとりくみを進めてください。
■内容は以下の通りです。
1 再犯防止施策について
(1)「再犯の防止等の推進に関する法律(再犯防止推進法)」
(平成28年法律第104号)には、
第4条 地方公共団体にも再犯を防止することを義務付け、
第8条 再犯防止を推進する計画を策定することを
求めている。
①策定に向けた、江戸川区の状況を問う。
②江戸川区における犯罪の状況を、どうみるか。
③再犯防止に向けて必要なものを、どのように考えるか。
■罪を犯した人々に出会い、ご相談を受けてきました。
再び罪を犯してはいない人たちが持つことができたもの、それは、心の拠り所となる「居場所」と、毎日を支えてくれる「誰かの存在」であったと思います。
再び罪を犯していない人たちの姿から、再犯防止のために必要なものが、見えてくるように思います。
壮絶なDVに苦しめられたことで、夫を殺害した女性は、刑務所の中で模範囚でありました。刑務所を出てからご相談を受け、生活する場と生活保護につなげることができたわけですが、それだけではなく、彼女がいかに良い母親であったかを知っている息子さんたちが、彼女を支え続けています。ですから、彼女は、今も真面目に生活をし続けています。
パンを盗んで刑務所に入った男性は、当時20代でした。高校教師であった父親からのネグレクトで、お腹をすかせ、何度もパンを盗んでいたのでした。彼を助けてくれたのは、刑務所で一緒だった60代の男性です。出所してからの彼を心配し、自分が昔働いていた江戸川区の土木の会社の社長のところに、彼を連れていきました。社長から連絡を受けた私は、話を聞き、精神科の受診と、生活保護につなげました。しかし、それだけであれば、彼はきっとまた刑務所に逆戻りしただろうと思います。でも、彼は、その後、罪を犯していません。それは、社長と奥さんが、毎日まいにち、彼を朝早くに会社に来させ、ゴミ出しをさせ、朝ごはんを食べさせ、たくさんの話を彼としてくれていたからです。
窃盗を繰り返し7回刑務所に入った男性は40代。話してみると、知的障害があるとすぐわかりました。しかし、刑務所から何度出ても、福祉につながることはありませんでした。その彼を雇ってくれた会社の社長さんからご連絡を受け、彼にも生活保護という生活の基盤を渡し、障害者手帳の取得に結びました。しかし、それだけであれば、彼はまた刑務所に戻るでしょう。それをさせていないのは、社長さんと会社の人たちです。彼が盗みをしないためにはどうしたら良いかを話し、彼にぴったりとついていてくれるのです。
罪を犯した人は、どの人も、特別な人ではありません。その特別ではない人たちがなぜ罪を犯したのか。
話を聞くと、そこには、小さい頃の虐待が見えてきます。また、知的や精神の障害があるにもかかわらず、福祉につながっていなかったこともあります。
ひとりぼっちの子育てや、ひとりぼっちの介護があることもあります。
それでも、
罪は、犯してはいけません。嫌なことがあったとしても、障害があったとしても、一人で苦しかったとしても、それでも、だめなことはだめなのです。人や、生き物や、物を傷つけることは許されないのです。
ですから、根本的には、犯罪を犯させない、そのためにどうするか、ということを考えなければならないと思います。
そして、それとともに、考えなければならないことが、犯罪を繰り返させない、ということだろうと思います。
それは、「被害者になる人をなくす」ということにもつながることになります。
2016年(平成28年)、今から6年前に、「再犯の防止等の推進に関する法律」いわゆる「再犯防止推進法」が制定されました。
第1条には、この法律は、国民の理解と協力を得ながら、再犯の防止などに関する施策を総合的かつ計画的に推進し、もって国民が犯罪による被害を受けることを防止し、安全で安心して暮らせる社会の実現に寄与することを目的とするとあります。
そして、第4条では、地方公共団体にも、地域の状況に応じた施策を策定し、実施する責務を義務付け、
第8条では、再犯の防止等に関する施策の推進に関する計画である「地方再犯防止推進計画」を定めるよう努めなければならないと、求めています。
都内では、千代田区が初めてこの推進計画を作り、すでに何度も研修会を重ねています。昨年も、庁内の職員向けに行うとのことでしたので、わたしも参加をさせていただきました。
講師は、龍谷大学 犯罪学研究センター、センター長の石塚伸一先生と、NPO法人マザーハウス理事長、前科3犯、延べ20年間を刑務所で過ごした当事者である五十嵐弘志さんのお二人でした。
石塚先生は、法学部教授として、刑務所の研究をされておられ、罪を犯した人々が、本当に立ち直ろうとすることを見守る眼差しは、それはとても優しいものでした。
五十嵐弘志さんは、3度目の刑務所の中で、マザー・テレサの神の愛の宣教会のシスターたちと出会い、出所後、元受刑者の社会復帰を支援する『マザーハウス』を立ち上げました。8年前のことでした。
現在は、石塚教授をはじめ、たくさんの研究者、弁護士の方々と一緒に、研究を深め、活動をされています。
そして、施策を作る時には、必ず当事者を入れることが大切だとおっしゃるそのお話は、たいへん示唆に富むものでした。
「刑期を終えたら、皆さんと同じ場所に出てくるんです。しかし、出所者は何も持っていない。刑務所の中での賃金は、見習い工で1時間7円。1等工で1時間70円。
お金を持たずに刑務所を出てきた時に、その人に対する福祉の手は、何もない状態です。何年かでも刑務所の中にいたら、浦島太郎の状態です。街は変貌しています。都心に出てきたら、人に酔う。人が怖い。向こうから人が来たら壁の方を向く。社会に居場所がないのです。孤独が一番危険です。」
ですから、今、『マザーハウス』では、バースデーカードさえもらったことのない刑務所の中の人たち約800人との手紙の交換を行い、出所後は、住居支援、就労支援、月に一度の当事者ミーティングなどを行っています。また、当事者が気軽に立ち寄れる居場所でもあり、当事者と地域住民の交流の場として、「マリアカフェ」の運営もしています。
犯罪学研究センター センター長の石塚先生の研究によると、昭和20年代には、刑事施設における収容人数がピークを迎えたものの、その後は減り続けていたものが、平成に入るとまた増えてゆき平成20年頃には、ふたたびその数はピークを迎えています。収容者の数が増え続けることで、6人部屋を8人で使うこともあるほどだったとのことです。そのときに、刑務所を増やすわけですが、1つの刑務所を作るのにかかる経費は、約600億円。
また、刑務所内で、一人にかかる1日の経費は、6,700円。1ヶ月で約20万円。1年で約240万円です。これらは、犯罪を犯す人がいなくなれば、使わなくても良い税金です。
今回、私は、再犯防止の施策についてお聞きをするわけですが、再犯をさせない。そのことは、被害者をなくすということにつながることでもあります。
被害者をなくすためにも、加害者をなくしたい。
罪を犯してしまった普通の人たちも含め、どの人も、幸せになってほしいと心から願い、江戸川区としてのお考えを、お聞きしたいと思います。
1、「再犯防止計画」の策定に向けた、江戸川区の状況をお聞かせください。江戸川区独自の計画を作ることは必要と考えますが、いかがでしょうか。
2、江戸川区における犯罪の状況を、どのように分析されているでしょうか。お聞かせください。
3、再犯をさせないということは、被害者をなくすことでもあります。計画の策定前であっても、できることはしていかなければなりません。再犯防止に向けて、何が必要とお考えになるでしょうか。
以上、3点、お聞かせください。
以上で、1回目の質問といたします。
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