「僕は発達障害だから、一つひとつ言ってもらわないとわからないって、言いましたよね」
理不尽な仕打ちをし、普通は、と言葉を続ける上司に、22歳になった彼はそう告げたそうです。
もじもじして話せなかった彼が、彼の速度で成長していることに、わたしは胸がいっぱいになりました。
発達障害、そのことを、お父さんもお母さんも、そして、本人も、なかなか受け入れ難かったころ、予期せぬことがいろいろ起こり、その度に、お母さんはなんども泣いていました。
その彼が、そして、お母さんお父さんが、彼自身が、できないことと、どうしたらできるのかということを、きちんと話して伝えられるようになっていることに、わたしは胸が熱くなったのでした。
この日、夜8時、彼が、今自分にふりかかっている理不尽なことの状況をご両親と一緒に話しに来てくれました。
ちょうど事務所でママの帰りを待っていた5歳の坊やは、すぐに彼のことが大好きになりました。小さいときから子どもが大好きで、面倒見の良い彼でしたからね。
優しい心を育みながら、どのような手順を踏めば、自分はできるのだということもわかるようになりながら、そしてそれを人にも伝えられるようになりながら、彼は、彼の速度で、成長していっている。そこには、ずっと彼を見守っているお父さんお母さんがいてくれました。
心がほっとした夜でした。
最新の画像[もっと見る]
※コメント投稿者のブログIDはブログ作成者のみに通知されます