(写真:松江小学校改築後の模型、上から見たところ)
施策協議会というのは、各会派ごとに、区長と執行部から来年度予算についての説明を受けて、こちらの意見を伝え、協議をする場です。今年は、31の新規事業と、76の拡充事業、そして4事業の廃止がありました。特徴的なことなどは、これから予算委員会が始まりますので、そこでとりあげながら、お知らせをしていきたいと思っています。
私たち日本共産党は、毎年、来年度予算に向けての緊急要望を提出しています。
今年は、以下の通りです。
2011年度予算 施策協議会における要望書
さる一月十八日に公表された「平成二十三年度主要施策の概要」によると、「小児用肺炎球菌ワクチンの半額助成」や障害者施設「希望の家」の増築などが盛り込まれました。これらは区民の切実な要求でありわが党も求めてきた事業です。
国政では、国民のくらしの実情や願いよりも、財界・大企業の要求やアメリカの意向を優先させるという長年の古い枠組みがゆきづまり、政治と社会に閉そく感が強まる中で、区民に最も身近な江戸川区に、「住民の福祉とくらしを守る」という地方自治体の原点に立ったとりくみがもとめられています。
景気低迷が続き、生活悪化が深まる中で、区財政の大幅な減収のもと、スーパー堤防事業をはじめ不要不急の事業を見直し、区民生活を守るために全力をあげるべきと考えます。
施策協議会にあたり、昨年十一月十九日に提出した「二〇一一年度予算編成に向けての重点要望」をふまえ、次のような緊急重点的な要望を提出させていただきます。ご検討をお願いします。
一、区民の仕事、雇用と営業を守るために
1、低迷する地域経済を活性化させるためには、根本において国の経済政策を大企業中心から家計への 所得移転を図る方向への転換が求められる。江戸川区としても次のように、生活に密着した福祉・教 育などの公共事業を効果的・効率的に図ることを求める。
①新年度から工事が始まる学校改築事業は、公共調達基本条例に基づき、区内業者を優先に、下請業者を含め区民の雇用と営業に効果をあげるよう努力すること。工事にあたっては、地域住民との工事協定書を交わすこと。
②全国一八〇自治体に広がる住宅リフォーム助成制度は、区民の耐震改修や環境対応のリフォーム要求にこたえるだけでなく、少額の予算で、数十倍の地域の経済効果をあげている自治体もあり、早急に検討し実現を図ること。
③中小零細業者に仕事を増やす小規模工事登録制度を創設すること。
④年々待機の状態が深刻となる認可保育園と特別養護老人ホームの増設は、区民にとって待ったなしの課題となっている。地域の仕事おこしや雇用拡大、商店街の活性化など地域経済にも大きな波及効果をもたらすものであり重点的に増設すること。
2、区の公共工事などに働く現場労働者の賃金を、少なくとも国が定める設計労務単価など適正な賃金 として確保するため、また指定管理者を含め区が発注する事業に従事する労働者を官製ワーキングプ アとしないためにも公契約制度を早急に実施すること。
3、総務省通知「指定管理者制度の運用について」にもとづき、住民の安全確保をはじめ、公共サービ スの水準確保等のため労働法令の遵守や雇用・労働条件の適切な確保を図ること。
4、区の臨時職員などの時給を一〇〇〇円までに引き上げるとともに、交通費は別途実費支給とするこ と。
5、二〇一〇年第三回定例区議会で区長が「攻め込むべき課題」と前向きに述べた青年の雇用対策は、 ヤングほっとワークの抜本的な充実強化をはじめ、サポートステーションとしてNPOなど専門家と の共同による、ひきこもり・ニート対策とあわせ緊急に具体化を図ること。
6、町工場・商店街など中小商工業者の存続と営業を守るため、家賃保証・休業補償などの直接支援の 実施を図ること。
二、区民の医療と健康を守るために
1、新年度の国民健康保険料は、区民税方式から旧ただし書方式への移行にともない、特別区の一人当たり保険料が五一七九円、二年間の経過措置でも一三七九円の値上げになることが明らかになった。区民の収入が減るもとで、大幅な負担増は容認できない。特別区長会総会でもまとまらなかった値上げ案は撤回し再検討すること。
2、国民健康保険への国の負担割合を増やすことを国に要望すること。
3、七〇歳からの窓口負担一割から二割への引き上げは行わないことを国に要望すること。
4、医師会の夜間診療体制について、充実のために江戸川区として支援を行うこと。
三、介護保険、高齢者・障害者福祉の改善・充実のために
1、地域包括支援センターの増設と緊急対応が必要な時に相談できる体制を整えること。予防介護のケアプラン作成料は実態に見合い増額するよう国に要望すること。
2、第五期介護事業の計画策定にあたり、公募委員の増員をすること。
3、ディサービス施設の介護保険外の宿泊サービスについて、区内施設の実態を調査すること。
4、区内の七五歳以上の高齢者の実態把握にもとづき、必要な生活支援の充実を図ること。特に熱中症対策について、低所得者へのクーラー設置、電気代などの助成を検討
し、行うこと。
5、新法制定までの障害者自立支援法の改正は、応益負担を残したままである。直ちに応益負担を廃止するよう国に要望すること。
6、発達障害児・者への総合的な支援ができるセンターの設置を急ぐこと。
7、葛西育成室の定員拡大に伴い、療育内容について専門職員の配置を含め検討し、充実をはかること。療育支援を必要としている子どもの増加に伴い、区中央部にも育成室を増設すること。
四、子育て支援のために
1、公的保育制度を破壊する「子ども・子育て新システム保育制度」について国に対し反対すること。保育所設置最低基準をさらに改善すること。
2、区立保育園の廃園・民営化計画を一時凍結し、これまでの民営化園の検証を早急に行なうこと。民営化の進め方について、専門家、保護者を交えて見直し、改善すること。特に民営化対象園は五年前に公表すること。
3、区立保育園正規保育士を一〇年間採用せずにいることは、専門技術の継承や職員構成のバランス上にゆがみが生じ、より良い保育とはかけ離れていくことにつながる。正規保育士の採用を直ちに行なうこと。
4、認証保育所(認可外保育施設)については、保護者への保育料補助や事業所への助成を拡充すること。
5、子ども家庭支援センターを、事務所ごとに設置するなど、身近に気軽に相談できる体制を整えること。虐待SOSの職員の体制充実とスキルアップの実地研修など充実させること。
6、新生児の半数の訪問は一歩前進である。さらに、育児の不安・孤立化を防止するためにも、早急にすべての新生児訪問を実施すること。
五、「まちづくり」について
1、スーパー堤防事業については、事業仕分けで「いったん廃止」とされたことから、国の新年度予算には新規事業はおろか継続中事業についても、中止による影響が大きい箇所のみしか予算措置しない 方針が出された。江戸川区が計画中の、北小岩一丁目東部地区および上篠崎一丁目北部地区の区画整理事業については、国の動向を踏まえ、少なくともいったん中止すること。スーパー堤防との一体整備をうたっている以上、当然の方向である。住民の間でも賛否が二分している計画であり、強引な進め方を継続するなら、区長の独断専行といわざるを得ず、重大な問題である。
2、同計画に関連した上篠崎一丁目の緑地事業についても、用地買収がほぼ終わったが、今後の整備については、地域住民の意見をよく聞くこと。
3、JR小岩駅周辺まちづくりでは、特に西小岩通り地区について、道路拡幅案は白紙に戻し、関係住民の合意の下でまちづくりを検討すること。
六、教育行政について
1、長年の国民の切実な要求を背景にした貴重な成果として、少人数学級が歩みを始めている。さらに、すべての学年と、高校・障害児教育分野を含めて少人数学級を計画的に整備するよう国と都に求めること。また、学校改築にあたっては、少人数学級が実施できるように必ず計画にもりこむこと。
2、全国一斉学力テストについて、区として全校対象に実施できるよう予算を組むことは問題である。競争と管理で子どもを苦しめ、順位をつけるだけの実態からも、全国一斉学力テストには参加しないこと。
3、子どもたちの健康と人生の豊かさを導く食育の観点からも、学校給食栄養士については、民営化をすることなく、全校配置を継続すること。
4、学校図書館への専任・専門・正規の司書の配置を行うこと。
5、高校教育を希望するすべての生徒が経済的理由で学ぶことができない事態をつくってはならない。私立高等学校、朝鮮高等学校の無償化を国に求めること。
6、特別支援学校は、児童生徒増に見合った施設整備が緊急に求められている。超大規模校となる仮称江戸川地区特別支援学校についての改善と、南部地域への特別支援学校の増設を行うよう、東京都に求めること。
日本共産党江戸川区議員団
日本共産党江戸川地区委員会
二〇一一年一月二十四日
江戸川区長 多田 正見 殿
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