江戸川区議会議員 間宮由美のblog * ひとりじゃないよ。プロジェクト*

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民営化の検証は、第3者評価だけでは足りない。(8月の福祉健康委員会)

2009-08-05 | 保育園・幼稚園のこと
■ 第65号 江戸川区立保育園の民営化を協議する機関の設置を求める陳情

とくに第3者評価について、生活者ネットの稲宮議員からの質問で、
深まる委員会になったと思います。
そして、第3者評価自体をよりきちんとさせていくこととともに、
やはり、民営化を検証するためには、それだけでは足りないことも
はっきりしてきました。

やり取りのメモを記します。

事務局 署名の追加 印鑑なし6名 合計1,372人

矢野子育て支援課長 前回質問のあった件について。
 おひさま保育園の第3者評価について、利用者調査の機関は、学研R&C。所在地は品川。事業内容は、福祉サービスの第3者評価であり、いろいろな分野にまたがっているが、保育所の評価として、東京都、埼玉県、千葉県、神奈川県、群馬県の認証を得ている評価機関。参考までに、保育園に対する評価の可能機関は。東京都では90社。評価実数としてはR&Cは、第3位に位置づけられている。

 おひさま職員の退職状況は、聞き取りして書いた。
 
 民営化による財政効果は、一般的に、平均的園は120人規模の程度では、5,000万円の効果ではないかと言われてきたが、江戸川区は区立保育園でそれを人数と保育単価人件費と事業費をそれぞれ決算額でだし、人数でかけると、おひさまになった園を人数でかけると、5園で10億7300万円かかる計算になる。
 おひさま園に対し、委託費は直接渡しているが、5園の合計で7億8000万円。差し引き2億5700万円ということ。20年度決算。

 財務省では、予算執行調査で、公立がやると、社会福祉法人の1.38倍といわれ、内閣府の国民生活局では、私立保育所に比べて30%のコスト高になるだろうと言われている。ここが財政効果といえる。

 市部における民営化の検討状況については、各市に、アンケートと一部聞取りをしたが、26市の状況をそこに書いている。最後のページに、協議会の設置を抜き出したが、八王子市、武蔵野市、国分寺市、福生市、東大和市は、それぞれ職員を中心に協議会はつくられている。

 民営化後の検証については、どのように行なっているかということについては、八王子市、立川市、昭島市、町田市、国分寺市、から回答があり、八王子市が、指定管理社制度ということもあり、事業者の責務として、自己評価、改善、期末監査などを行っており、モニタリングを行なっている。
 立川市は、3者協議と、保育士による検証と第3者評価の実施。
 昭島市、町田市は、検討中。
 国分寺市については、職員の巡回と第3者評価。
 
 ちなみに江戸川区は、昨年9月に、民営化後の進め方をどうするかということについて、記載をしている。民営化後の運営等については、一定期間は、必要に応じて、保護者との意見交換の場を設けるとか、問題が生じた場合には、区と保護者代表と法人3者で場を設けるということをうたっている。
 また、民営化後の確認については、今も行なっているが、引き継ぎの状況を確認するため、担当職員を随時派遣していく。東京都の定期的な指導検査、法で定められたことをきちっと行なわれているか、運営はきちんと行なわれているか、そういうことを認可権者である東京都が、法的に行なっており、現在やっている。区の職員も同行。
 
 第3者評価については、ホームページでお知らせする。最初のうちは、民営化ということがあったので、第3者評価については、まず、利用者の声をしっかり聞きなさいということで、利用者の声を聞き、21年度からはすでに、第3者評価の目的である利用者調査と運営のマネージメント力の調査などを行ったものを、すべての園でおこなっている。

間宮委員 「江戸川区は、第3者評価を受けている。利用者アンケートからも高い評価を受けており、だから応募状況にも表れている。」ということを、前回の委員会でも報告された。 
 しかし、応募状況についていえば、多くの保育園があり、どこでも自由に選ぶことができる中での応募人数であれば、高い評価のもとの結果と言えるだろうが、現実として、数百人の子どもたちが保育園に入れないでいる状況の中では、選ぶ余地はない。従って、応募状況そのものを高い評価とみなすことは、できないのではないか。
 いかがお考えか。

矢野子育て支援課長 選ぶ方の気持ちもあるが、いくつかある保育園の中でも、民営化されてもちゃんとした保育をしているという安心感があるから、そこを希望したというふうに理解している。だから、応募状況の高さも評価と思う。

間宮委員 選ぶ余地がない中での応募状況とみるべき。
 また、第3者評価というものについて、前回の委員会でのやり取りを通じても、その評価の内容を良く吟味しなければならないことが、浮き彫りになった。

 担当課長は、「第3者評価の利用者アンケート」といういい方をされている。そして、今回は、事業内容についても、検討に加えていく、という言い方もされているので、これまでの説明が不正確であったわけではないのだと思う。
 しかし、第3者評価とは何かということを、よくわからない人にとっては、「利用者アンケート」とそこに加えられた少しのコメントを持って、第3者評価である、ととらえる方も多いのでははないか。そこから考えると、「第3者評価を受けている」という課長のいい方は、不正確な言い方とはいえないまでも、親切ではない。区民が区政の主人公であるという立場を貫くとしたら、そこにはていねいなご説明をいただきたいと思う。

 確認する。利用者調査は、第3者評価の一部であって、第3評価全体ではない、ということが正確な言い方になるか。

矢野子育て支援課長 利用者調査と事業者調査を持って、第3者評価という。
 私ははじめから、説明会などでも、民営化されるので民営化されたときの利用者の気持ちを大事にして、そこから始めさせていただいた。民営化の中では、きちんと第3者評価い、今年20年9月に書いているので、21年度からは、両方の第3者評価を行なっている。

間宮委員 そうすると先ほどサービス推進費などについても触れられたが、20年度の利用者アンケートの費用はいくらで、誰が支払っているか。
 また、今後の計画について、21年度から実施ということだが何月に?
矢野 第3者評価については、認可園私立園については、都の直接補助になっているので、区を経由せず、直接払われている。60万円を上限に、必要なものには払うということ。
 すでに実施しており、今年度は行なわれている。

間宮委員 すでに実施ということだが、事業者の内容については、学研RCなどのホームページを見させていただいたところ、「自己評価は原則全職員に実施する、その結果を事前に分析したうえで、訪問調査を行う」これが標準的な事業評価の調査の方法と書いてある。標準的なということだから、各園について違うと思うので、そこら辺りの具体的な内容についてお聞かせいただきたい。

矢野子育て支援課長 会社を選定し、会社が各園に行って利用者調査もやるし、職員からも園長からも、法人江戸川からも話を聞き、総合的に判断して公表する。公表については、各園の考えにはなるが、おひさまについては、公表をする。すでに各園に入ってやっている。

間宮委員 具体的な方法については、次回で結構なので、教えていただければと思う。
 民営化園については、一番はじめに課長から述べられたが、民営化園については、意見交換の場を設ける問題が発生した場合は、話し合いも設け、区の担当職員も巡回させるということで、今できることの中で、一部かと思うが、行なってくださっている。

 しかし、民営化の問題は、保護者、子どもたち、そこに在籍する人たちだけの問題ではない。江戸川区の保育をどう考えていくかという抜本的な問題。もちろん、現場の今いる保護者や子どもたちを大事にするということが一番だから、そこから出発していいんだと思うが、しかし、そこだけでなくて、江戸川区民全体で、民営化をどう考えるかという検証がどうしても必要だと思う。
 
 そう考えたときに、第3者評価ということだけで足りるか。第3者評価は、サービス向上や、今の保育園のあり方を向上させていくためには、有意義なものと考える。しかし、それだけでは足りない。今必要なことは、民営化自体について、子どもはどうだったのか、親はどうだったのか、自治体としてはどうだったのか、ということを検証していかなければならない。
 それをしなければ、民営化をこれからも進めるのか、あるいは進めてはいけないのか、それを含めて方向性を出せないのではないか。だから、民営化自体について、協議する機関については、どうしても必要である。
 
 この陳情については、願意妥当。次の本会議が始まるが、結論をしっかりとつけて、検証についても早く始めなければ、すでに民営化された園の保護者の方々子どもたちもいなくなってしまう。ぜひ結論をつける方向でお願いしたい。

 最後にもう一点、前回の委員会で、「子ども子育て応援会議」が始まるということで、傍聴者を入れない、公開はしないという決定がされたということが明らかになったが、どうしてもそこが気になる。
 民営化について話し合うかどうかは今後にしたとしても、「子ども子育て応援会議」が、公開されないということはいかがなものか。7月3日の会議分については、議事録がまだ出されていないので、どのように話がされたのかよく分からないが、公開はしない、傍聴者を入れないということについては、再検討を求めたいと思う。

矢野子育て支援課長 議事録は数日中に。公開については、委員長判断であそこの会議で決定したが、そういう話があったということは伝える。みなさんが決められたこと。

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