日米安保を考える 止まらない米兵犯罪
(記事:Iさん/写真:佐藤好重(よしえ)さん事件・被害者の会の人々 被害者の会パンフレットより)
米軍基地の町―。
そこに住む人々は、アメリカ兵が起こす犯罪の恐怖を、身近に感じながらの生活を強いられています。
防衛省の資料では、旧安保条約が発効した1952年度から2006年度までに米兵が起こした事件・事故は、
なんと20万4,785件で、うち日本人の死者は1,081人(72年の施政権返還前の沖縄分を除く)。
警察庁の資料では、米兵が刑法犯で検挙された数は6,933件(73年~04年)にのぼります。
横須賀市は、基地の外に居住するアメリカ兵が最も多い自治体で、3,532人(06年現在)です。
それだけに犯罪も後を絶たず、次のように凶暴な事件が多発しています。
2002年 4月 横須賀基地近くで米兵が女性を強姦
2006年 1月 出勤途中の佐藤好重(よしえ)さん(56)を空母キティホークの米兵が襲って殺害し、現金を強奪
2006年 9月 米兵らがタクシーを乗り逃げ、運転手に鼻骨骨折など全治一カ月の傷
2006年11月 米海軍の軍属が、横須賀基地ゲート前のバーの客(日本人)を、店外に連れ出し殺害
2008年 3月 タクシー強盗・殺人事件
■なぜなくならないのか
米兵犯罪は、なぜなくならないのか。
横須賀での検挙件数がイラク戦争と重なって増えているように、
常に戦場と隣り合わせにあることも要因の一つかもしれません。
また、在日米軍による犯罪・事故の被害者の会は、パンフレットのなかで次のように書いています。
「戦争は人を殺すこと……
アメリカでは『どうすれば効率的に人を殺せるようになるか』に関する数々の研究を積み重ね、
キャンプでの新兵の訓練にその研究成果を利用している……
だからこそ、好重さんの顔面をこぶしで殴りつけ、転倒した好重さんの顔や腹を繰り返し強く踏みつけ……
10分間もの間暴行を続けることができたのです」
■日米地位協定の壁
米兵の犯罪が多発しても、日本の警察は逮捕することもできず裁判することもできない、
という理不尽なことがまかりとおっています。
それは、安保条約にもとづき米軍の治外法権をさだめた日米地位協定があるからです。
地位協定は、犯罪を起こした米兵が「公務中」であれば、裁判権はアメリカにあると定めています。
「公務外」であれば、日本側が起訴するまでは、容疑者の身柄はアメリカが確保するとしています。
このため、基地内に逃げ込んで海外に逃亡してしまう事件も起きています。
また、犯罪被害者へ見舞金、賠償金を払うかどうかも、アメリカの意向次第で、
多くの人が受けることができないでいます。
街の様子は、どことも変わらないようでも、そこには基地があり、軍隊がいて、兵士がいる。
米兵犯罪はここで起きているのです。
(記事:Iさん/写真:佐藤好重(よしえ)さん事件・被害者の会の人々 被害者の会パンフレットより)
米軍基地の町―。
そこに住む人々は、アメリカ兵が起こす犯罪の恐怖を、身近に感じながらの生活を強いられています。
防衛省の資料では、旧安保条約が発効した1952年度から2006年度までに米兵が起こした事件・事故は、
なんと20万4,785件で、うち日本人の死者は1,081人(72年の施政権返還前の沖縄分を除く)。
警察庁の資料では、米兵が刑法犯で検挙された数は6,933件(73年~04年)にのぼります。
横須賀市は、基地の外に居住するアメリカ兵が最も多い自治体で、3,532人(06年現在)です。
それだけに犯罪も後を絶たず、次のように凶暴な事件が多発しています。
2002年 4月 横須賀基地近くで米兵が女性を強姦
2006年 1月 出勤途中の佐藤好重(よしえ)さん(56)を空母キティホークの米兵が襲って殺害し、現金を強奪
2006年 9月 米兵らがタクシーを乗り逃げ、運転手に鼻骨骨折など全治一カ月の傷
2006年11月 米海軍の軍属が、横須賀基地ゲート前のバーの客(日本人)を、店外に連れ出し殺害
2008年 3月 タクシー強盗・殺人事件
■なぜなくならないのか
米兵犯罪は、なぜなくならないのか。
横須賀での検挙件数がイラク戦争と重なって増えているように、
常に戦場と隣り合わせにあることも要因の一つかもしれません。
また、在日米軍による犯罪・事故の被害者の会は、パンフレットのなかで次のように書いています。
「戦争は人を殺すこと……
アメリカでは『どうすれば効率的に人を殺せるようになるか』に関する数々の研究を積み重ね、
キャンプでの新兵の訓練にその研究成果を利用している……
だからこそ、好重さんの顔面をこぶしで殴りつけ、転倒した好重さんの顔や腹を繰り返し強く踏みつけ……
10分間もの間暴行を続けることができたのです」
■日米地位協定の壁
米兵の犯罪が多発しても、日本の警察は逮捕することもできず裁判することもできない、
という理不尽なことがまかりとおっています。
それは、安保条約にもとづき米軍の治外法権をさだめた日米地位協定があるからです。
地位協定は、犯罪を起こした米兵が「公務中」であれば、裁判権はアメリカにあると定めています。
「公務外」であれば、日本側が起訴するまでは、容疑者の身柄はアメリカが確保するとしています。
このため、基地内に逃げ込んで海外に逃亡してしまう事件も起きています。
また、犯罪被害者へ見舞金、賠償金を払うかどうかも、アメリカの意向次第で、
多くの人が受けることができないでいます。
街の様子は、どことも変わらないようでも、そこには基地があり、軍隊がいて、兵士がいる。
米兵犯罪はここで起きているのです。
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