裁判の傍聴 ②

ぜんそくのクスリと、それを買うためのお金に換金するために本を盗んだ人の
判決の日です。（間宮由美のブログ　裁判の傍聴　２００８－０４－１６）

２年６ヶ月の有罪。
刑務所に入れば、食事もある。寝るところもある。薬もある。
だから、盗んだ。

これは、とんでもない考え、です。
彼は、生きている喜びを感じたことはあるのだろうか。
楽しいと思ったのは、いくつくらいまでなんだろう。
どうしてこのように考えるようになってしまったのだろうか。

今の子どもたちが、このような考えに至らないようにするにはどうしたらよいのか、
重い気持ちで、判決を聞きました。

せつない。

わずか１０分でおわった刑事裁判の傍聴席をあとにし、
「慰謝料」についての民事裁判の傍聴席にいきました。

妻が不倫相手の女性に対して起こした裁判には、妻、夫、不倫相手とされる女性の
３人が証言台に立ちました。
３人の証言は、３者３様でまったくというほど食い違っています。
裁判官も、何かそれぞれの証言の証拠になるものはないのですかと、尋ねたほどです。
きっと、仲の良い時間を過ごしていただろう者同士が、
こんなに憎しみ合わなければならなくなってしまったことに、
私は、胸がしめつけられました。
どうしたら、それを回避できましたか？
そのことを考えたい。

裁判所をでて見上げた樹から、見えた空と木漏れ日に、ほっとしました。