著:石井光太
終戦直後、焼け跡に取り残された多くの戦災孤児たちは、どこへ消えたのか?
1945年の終戦直後、焼け跡となった東京は、身寄りのない子供たちで溢れていた――
全国では、12万人以上。
復興と共に街が浄化され、居場所を失い歴史から〝消え去った〞彼らを、
残された資料と当事者の証言から上野を中心に現在まで追う。
戦後裏面史に切り込む問題作にして、戦争が生み出したものを見つめなおす必読の書。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
図書館から借りて読了。
著者の作品は、「「鬼畜」の家」、「遺体」に続いて3作目。
とても読みやすい。
そして同い年という衝撃。
それはおいといて、
その前に読んでいたのが、藝大の本で
はじめて働いた場所が上野で、その当時はもっと昔の名残もあったのでイメージしやすく
戦後の上野を想像しながらぐんぐん読みました。
確か朝ドラ「カーネーション」で、
東京で泊まった先でふと目が覚めたら浮浪児がいたっていう描写があったのを思い出したり。
昔から母がだらしない恰好をしている幼い私を、いや、結構大人になってからも
「フロージ」呼ばわりすることが幾度となくあったのを思い出したり。
(注:ウチの母、そういう一刀両断なところあって、あたしにもしっかり遺伝されています)
テキヤとヤクザの違いを知って、なるほど寅さんはテキヤだなと思ったり。
浮浪児の生活ぶりは、一言で敢えて言うなら「悲惨」になってしまうのかもしれなくて
実際そのような風に思っていて、そのような面ももちろんあるんだけど、
生の証言に触れることができて見方が変わりました。
何もないところから孤児を引き取るという凄い人がいた新たな発見もあってよかった。