著:せきしろ
私は今日もルノアールにいた。
誰かに頼まれたわけではない。
誰かに呼ばれたわけでもない。
自主的にだ。帰巣本能? いや違う。犯罪者が現場に戻る心理? いや全く違う。要は、暇だからだ……。
知る人ぞ知る、喫茶マニア(?)の集う「喫茶室ルノアール」で、
昼間から時間を潰している「私」(=せきしろ)。
客や店員の様子を観察するうちに、「私」は妄想をどんどん暴走させ、まったく異次元の世界に没入してゆく……。
その凄まじいまでの観察眼と想像力と腰砕けになるほどのヤル気のなさに、思わず誰もが脱力。
時代を反映するキャッチーな固有名詞をちりばめ、昨今の風俗や流行を見事に脱構築した、
まったく新しいスタイルのエッセイ、いわば「無気力文学の金字塔」である。
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図書館から借りて読了。
ルノアール、1回だけ入ったことあるなあ・・
ていうか、
もともとコーヒー飲まないから、喫茶店及びカフェ文化がない私なのだが、
思わずちょっと行って時間を潰してもいいかな?と思える感じ。
なーんも役に立つことは書かれていないのだけれども(貶してないです)
読み進めてしまいたくなるセンスと無駄のない文体に憧れます。