事件発生は10月1日午後10時過ぎ。
次々と負傷者がERへ運ばれてくる中、
ERはまさにカオス状態へ陥ります。
数えきれないくらいの負傷者、家族、
そしてドクター、ナース、RT(Respiratory Therapists)などの
病院関係者でごった返す中、
トリアージに従って最も重症な患者から対応に当たります。
頭であれ、胸部であれ、腹部であれ、手足であれ、
負傷者は銃撃されているので
みんな血みどろ、床は血だらけです。
Facebookなどで出回ったER Trauma Bayの写真
クリックすると拡大します
ERへ運ばれてきたものの
その搬送途中で命を落とした人もいたし、
ERへ辿り着いたものの、
手の施しようがなくてすぐに命を落とした人。
何とかOR(手術室)まで運べるように
懸命な処置をする最中に命を落とした人。
病院内における最初の戦場はERです。
ERで何とか命を繋いだ人が次に行く場所はOR。
ORも戦場のように死闘が繰り広げられます。
負傷者の体から銃弾を取り除き、止血をし、
臓器機能を確保しなければいけません。
ただ、大量出血している人も多く、
IV fluid(生理食塩水などの点滴)、
Vasopressors(昇圧剤)、輸血などをフル活用して、
何とか循環機能を保ちながら外科手術に当たりますが
10Lの輸血を体に入れても、
10Lそのまま出血で出てくるといった人も多く
手術中に命を落とす人もいました。
次のコードブルー頻発地帯はPACU(Post-op)。
ERの処置で命を繋ぎ、手術にも耐えられた人が
次に行く場所はPACUという術後に運ばれる回復室です。
ORからICUへ直で行けそうな容態の人は
そのままICUへ運びますが
ORからICUへの移動(数分)の間にも
心停止に陥りそうな不安定な人は動かせないので
ORの隣にあるPACUで何とか安定させようと試みます。
でも心停止する人も多く、
10月2日の明け方から午前中にかけて
PACUでのコードブルーが多かったように思います。
そして次の戦場はICUです。
うちの病院は4種類のICUがあって
Trauma ICU(外傷専門ICU)に最も重症な患者さん、
Cardiovascular ICU(循環器や胸部専門のICU)には
胸部を撃たれた人や他の重症者を集め、
Neuro ICU(脳神経専門のICU)と
Medical ICU(内科専門のICU)は撃たれた場所や症状に応じて、
という感じで患者の振り分けをされました。
Trauma ICUは事件前までいた患者を他のICUに移して
全てのベッドを事件の負傷者へ充てたので
初日は患者さんの管理(CTやらMRIやら再手術やら)で
みんな大忙しだったし
患者さんだけではなく、家族の心のケアなどもあるので、
なかなか大変だったと思われます。
ただ、ICUまで辿り着けた患者さんというのは
容態が安定しない人もいる事にはいるんですが、
コードブルーに陥る人というのが
ER、OR、PACUに比べると少なかったです。
あと、ICUへ入ってからは
今後のPrognosis(予後)がある程度見えてくるので
予後不良(心肺停止が予測される人、回復の見込みがない人)の場合は
Palliative care(緩和ケア専門医)を含めて
ドクター達と家族との話合いの機会が持たれます。
そこで心肺停止に陥っても救命処置をしないと決断する
ご家族もいらっしゃるので
そういった要因もあってかICUでのコードブルーは少なかったです。
そういうわけで、Mass Casualty Incident(多数傷病者事故)における
病院内での戦場は
ER → OR → PACU → ICU と
時間を追うごとに変遷していくのだと
今回の件から身をもって学ぶことが出来ました。
考えれば当たり前なんですけどね(^^;)
実際に経験しないと意識する事ではないし
なかなかわからないものですね。
次々と負傷者がERへ運ばれてくる中、
ERはまさにカオス状態へ陥ります。
数えきれないくらいの負傷者、家族、
そしてドクター、ナース、RT(Respiratory Therapists)などの
病院関係者でごった返す中、
トリアージに従って最も重症な患者から対応に当たります。
頭であれ、胸部であれ、腹部であれ、手足であれ、
負傷者は銃撃されているので
みんな血みどろ、床は血だらけです。
Facebookなどで出回ったER Trauma Bayの写真
クリックすると拡大します
ERへ運ばれてきたものの
その搬送途中で命を落とした人もいたし、
ERへ辿り着いたものの、
手の施しようがなくてすぐに命を落とした人。
何とかOR(手術室)まで運べるように
懸命な処置をする最中に命を落とした人。
病院内における最初の戦場はERです。
ERで何とか命を繋いだ人が次に行く場所はOR。
ORも戦場のように死闘が繰り広げられます。
負傷者の体から銃弾を取り除き、止血をし、
臓器機能を確保しなければいけません。
ただ、大量出血している人も多く、
IV fluid(生理食塩水などの点滴)、
Vasopressors(昇圧剤)、輸血などをフル活用して、
何とか循環機能を保ちながら外科手術に当たりますが
10Lの輸血を体に入れても、
10Lそのまま出血で出てくるといった人も多く
手術中に命を落とす人もいました。
次のコードブルー頻発地帯はPACU(Post-op)。
ERの処置で命を繋ぎ、手術にも耐えられた人が
次に行く場所はPACUという術後に運ばれる回復室です。
ORからICUへ直で行けそうな容態の人は
そのままICUへ運びますが
ORからICUへの移動(数分)の間にも
心停止に陥りそうな不安定な人は動かせないので
ORの隣にあるPACUで何とか安定させようと試みます。
でも心停止する人も多く、
10月2日の明け方から午前中にかけて
PACUでのコードブルーが多かったように思います。
そして次の戦場はICUです。
うちの病院は4種類のICUがあって
Trauma ICU(外傷専門ICU)に最も重症な患者さん、
Cardiovascular ICU(循環器や胸部専門のICU)には
胸部を撃たれた人や他の重症者を集め、
Neuro ICU(脳神経専門のICU)と
Medical ICU(内科専門のICU)は撃たれた場所や症状に応じて、
という感じで患者の振り分けをされました。
Trauma ICUは事件前までいた患者を他のICUに移して
全てのベッドを事件の負傷者へ充てたので
初日は患者さんの管理(CTやらMRIやら再手術やら)で
みんな大忙しだったし
患者さんだけではなく、家族の心のケアなどもあるので、
なかなか大変だったと思われます。
ただ、ICUまで辿り着けた患者さんというのは
容態が安定しない人もいる事にはいるんですが、
コードブルーに陥る人というのが
ER、OR、PACUに比べると少なかったです。
あと、ICUへ入ってからは
今後のPrognosis(予後)がある程度見えてくるので
予後不良(心肺停止が予測される人、回復の見込みがない人)の場合は
Palliative care(緩和ケア専門医)を含めて
ドクター達と家族との話合いの機会が持たれます。
そこで心肺停止に陥っても救命処置をしないと決断する
ご家族もいらっしゃるので
そういった要因もあってかICUでのコードブルーは少なかったです。
そういうわけで、Mass Casualty Incident(多数傷病者事故)における
病院内での戦場は
ER → OR → PACU → ICU と
時間を追うごとに変遷していくのだと
今回の件から身をもって学ぶことが出来ました。
考えれば当たり前なんですけどね(^^;)
実際に経験しないと意識する事ではないし
なかなかわからないものですね。
私の滞米生活も来年で50年、あっという間のアメリカ人生でした。
この国は良い人達、良いところもたくさんあるんですがね。それでは今後も、頑張ってください。
アメリカ人でも何人でも、この国にはたくさんの良い人達がいますよね。ただ、不穏な事件が年々増えている気はします。近代化に伴う人々の生活や心情の変化が、近年の無差別殺人などに繋がっているのか・・・原因は定かではありませんが、こういった事件が減少していくのを願うばかりです。
応援ありがとうございます。