母の忘れもの

軽度認知障害になった母の記録

先生の出張⁉️

2019-08-07 13:54:57 | 日記
軽度認知機能障害の診断がおりてから、母の診察は月に1回のペースだった

月に一度、私は仕事を休み父と3人で診察を受ける

最初の頃は薬の副作用か、母がパニックを起こすことが多かったり母が起こすトラブルに振り回されることも多くて
診察の度にそれを報告すると言う感じ

トラブルを報告すると先生は
「認知症の患者さんは良くなることはないのでご家族がきちんとフォローしてあげてくださいね」
というだけ

フォローと言ってもずっとついて回るわけにもいかないし一緒に住んでいるのに父と母は仲が悪くて一緒に行動することもない
結婚して50年、離婚こそしなかったけど私は母から父の悪口しか聞いたことなかったし父も母のやることには干渉しないことで平穏に暮らしているような夫婦だったから母がトラブルを起こしても今さらどうフォローすればいいのかわからない

そんな父もごみの日をチェックすることから始めてくれていた

だけど先生は冷蔵庫の話を聞いて一緒に買い物に行かない父に「毎月来てもらうのは患者さんに薬を出すと共にご家族の教育のために来てもらってるんです❗認知症は治らないんですからご家族が変わるしかないんですよ‼️」と少し怒ったように言った

先生の言ってることはわかるけど父が急に変わっても母の方が受け入れなければ父のできることは増えていかない
母は自分が忘れていてトラブルが起きていることは理解していないんだから尚更無理な話だ
そうなるともはや母が日々忘れていって話が噛み合わないことはトラブルではないし
母がパニックを起こさなければ先生にわざわざ言うこともないのかもと診察では「最近は落ち着いてます」と言うようになった

パニックを起こさないで3回ほど診察をクリアーしたら先生が「ここのところ落ち着いているようなので毎月じゃなくて少し伸ばしてもいいですよ」と言い始めた
私は月末の方が休みやすいし父も母も私の都合でいいと言うので「じゃあ2か月後で」とお願いした

1ヶ月が過ぎた頃話の節々に「先生も病気なんでしょ?」とか「学会があるんだっけ?」とか言い出す
「なんの話?」と聞くと
母の中では診察が2ヶ月毎になったのは先生が病気になったからとか用事があるからとか先生の都合でそうなったことになっていたらしい

結局2か月目の診察の日まで私は何度も違うと訂正させられる羽目になった

忘れるだけならまだしも欠落している記憶を穴埋めするためにつじつまが合うように作り上げるようになるらしい

母が作り話をする度に聞き流すべきか正すべきかとても悩む