母の忘れもの

軽度認知障害になった母の記録

スマホ

2019-08-09 12:28:56 | 日記
母は元々機械音痴だ
目まぐるしく進化を続けるマルチメディアの世界には元々ついていけてない

なのに私たちがガラケーからスマホに変えてしばらくしたら
「私もスマホにしたい」と言い出した

その時はまだ認知機能に問題はなかったので当時契約していたSoftBankでガラケーからスマホに変える手続きをした
そもそも携帯の手続きも一人で聞いても理解できないのでいつも私が付き合わされた

念願のスマホにしても機能を使いこなせずにもて余して3年ほどしたら母の認知機能に衰えを感じ始めた

うちは家族でauからdocomoに乗り換えた

母は電話をかけたり受けたりできるだけでメールさえできずに毎月8000円ほどのスマホ料金を払っていたので
「うちの家族と一緒にすれば半額くらいになるよ、もったいないからSoftBankでガラケーに戻すかスマホにこだわるならdocomoに乗り換えてうちの家族と一緒にすれば?」と持ちかけた

すると母はスマホのままがいいからdocomoに乗り換えるという
すぐに手続きをしてついでに母の症状が進んで迷子になったときの対策としてGPSの設定もしてもらった

それが1年前

母はスマホやDVDプレーヤーやテレビ、電話機などの電気製品の通知の赤い点滅が極端に気になるようで、どの機械が点滅していても必ず私のところに走ってきて「壊れた」という

だいたいは通知だけだったりすぐ直せたりするのだが気になってしかたがない様子で何度もそんなことで呼びつけられた

何度も「壊れた訳じゃないよ、ほっといても大丈夫だから今度確認するよ」と言ったが納得はできないようだ

そんなある日仕事中に母から電話があった

「スマホがおかしいから買い換えようと思ってるけどこれってどこの携帯だった?」と
「なんで買い換えるの?買ったばっかりだしおかしいわけないよ、点滅は壊れた訳じゃなくてどのスマホにしても同じことは起きるよ」
母はなぜかauに一人で行ったようだった
「じゃあ今順番待ちだったけど断って帰るわ」と

謎の多い出来事だったが阻止できてよかった
でもまた同じことが起きるかもという心構えもできた

それから半年ほどたつが勝手に携帯電話ショップに行くことはまだない