診断がおりる1年前からもう母の認知機能はおかしかった
私が結婚する条件は実家のそばに住むことだった
私が昼家にいるときは実家で食べるのが当たり前になっていた
私が家にいると「昼どうする?」と聞きに来る
子供が生まれて17年たつがずっと母は聞く「お昼どうする?」と
2年ほど前くらいから母が作るお昼ご飯があやしくなった
全員同じものを食べるときはいいが、残っている材料毎に一人一人メニューを変える、ということも昔はできたのにその頃から誰がどのメニューだったのか、何人分を作らなければいけないのか覚えられずに何度も確認しながらそれでも間違う、ということも徐々に増えていった
そのうちセットになっているスープとラーメンを入れ換えてしまったり作り方が適当すぎて美味しくできていたものが違う形のものになってしまったりするようになった
ある日当時小学2年だった娘と一緒に実家に行って母が「お昼何が食べたい?」と娘に聞いた
「スガキヤのラーメン」と言う
チルドのスガキヤラーメンが一人分だけ冷蔵庫にあったので「じゃあ一人分はスガキヤラーメン作るね」と母はキッチンに向かった
「出来たよ」と言われて娘がラーメンの前に座ると「お母さん、なんか色変だよ」と言うので見てみるとそこにはピンクの半透明のスープに麺が沈んでいる、見たことのないラーメンがあった
「これ、何いれたの?」と聞くと「普通に作ったよ」と
少し食べてみるとスープにはほぼ味がなかった
無理にも食べられる物ではなかったので他にも作ってくれたものの中で食べられるものだけ食べて帰ってきた
その後も何度か食べに行ったが今まで料理上手だった母の作ったとは思えないものが度々出るようになり、味がおかしいよと言うとなげやりになって雰囲気も悪くなるので子供たちは行きたがらなくなり今は全く昼を食べに行くことはない
だけど今も毎日「昼どうする?」と聞きに来る
私が出掛けて子供たちを留守番させると言うと「面倒見てあげようか?」と言う
母は昔のようになんでもできると思っているだけに断るのにも気を使う