全国の公務員のたばこ休憩は、1年間で給料920億円分-。市民団体「兵庫県タバコフリー協会」が、一部自治体での調査をもとにこんな試算を出し、話題を呼んでいる。たばこを吸うだけでなく、スマートフォンを操作するなどして長時間喫煙所に滞在する職員がいる実態も明らかに。同協会会長で医師の薗潤さん(66)は「税金の無駄遣いで、全国の公務員は勤務時間内禁煙とするべきだ」と訴えている。(加納裕子)喫煙所を1日観察すると…調査は同協会が今年5~7月、兵庫県の尼崎市役所と西宮市役所で実施。それぞれ職員が使う喫煙所を1日観察し、昼休み以外の時間に喫煙した人数を調べて給料に換算、今年9月に松山市で開かれた日本タバコフリー学会で発表した。尼崎市では、地下駐車場にある職員専用喫煙所で調査。昼休みの時間を除く午前9時~午後5時半に訪れた人数は延べ547人。離席時間を10分(たばこを1本吸う時間5分、喫煙所への往復5分)として計算すると、計約91・2時間。職員の平均年俸から割り出した平均時間給と年間勤務日数をかけあわせて、タバコ休憩の時間に支払われる年間の給料(タバコタイム・サラリー)を7708万2970円と割り出した。西宮市では本庁に4カ所ある喫煙所のうち2カ所を調査したところ、昼休みを除く時間に訪れた人数は607人。ただ、ここは職員以外の来庁者も利用するため、おおまかにみて3分の2が職員と仮定して推計した結果、この2カ所での年間タバコタイム・サラリーは5678万3520円となった。両市とも水道局や環境局、消防局などは別庁舎となっており、同協会ではそれぞれ、少なくとも年間1億円以上のタバコタイム・サラリーが支払われていると推定。全国の国家公務員、地方公務員をあわせた数は両市職員の約460倍として、国全体でざっと920億円以上の税金が消えていると結論している。
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