戦国期から安土桃山時代を超えて江戸時代へと
移り変わっていきます。江戸地域が徳川家康によ
って開発されて、政治・文化・経済の中心地となる
と、当然インフレが起こり貨幣価値が下落してい
くことになります。計算方法は本記事末尾に記載
しました。
1)江戸期と戦国期の貨幣価値の比較
ここからは純野の想定ですが、戦国⇒安土桃山
⇒江戸前期⇒江戸後期と貨幣価値がどのように
変遷していくかですが、例えば、
*戦国期と比べ江戸中期のインフレ率10倍
*戦国期と比べ江戸後期のインフレ率20倍
とすると、その逆数だけ貨幣価値は下がることに
なります。今回の記事では“江戸期インフレ率
10倍”で計算してみます。
2)千両箱、そば代、富くじは?
①TV時代劇でよく出てくる“千両箱”は?
江戸期で仮にインフレ率10倍としてみまし
ょう。
☆戦国期:金1両=4000文×120円=48万円な
ので金千両=1000両×4000文××120円=4億
8千万円となり、「これはゴッツイ!」という印象
ですが、
☆江戸期:金1両=4万8千円なので金千両=
4800万円となり、命がけで盗む金額ではない
ような気がします。
②TV時代劇でよく出てくる“そば代”は?
こちらも江戸期でインフレ率10倍としてみ
ましょう。戦国期の1文=120円なら江戸期の
1文=12円となり、
「かけそば10文になります!」
というと120円になるので、これはいくらなん
でも安すぎる!現代の立ち食いそばでもかけ
そば250円はしますので、
「かけそば20文になります!」
と蕎麦屋に言わせるのが妥当と思います。江
戸末期なら40文でしょうね。ここらへんは歴史
小説家の先生たちが無視してきた点かな・・
③TV時代劇で出てくる“富くじ”の一等賞金は?
こちらも江戸期でインフレ率10倍としてみ
ましょう。戦国期の金1両=48万円なら江戸期
の金1両=4万8千円となり、
「大当たり~、一等賞金五百両!」
といわれると多そうな感じがしますが、
*五百両=500×4万8千円=2400万円
なので“ちぇっ・・しけてやがんな・・”とつぶや
かれそうです。最低限「一等、一千両!」の掛
け声が欲しいところです。
皆様も江戸時代のTV時代劇を見る時は、
*だいたい1文=12円、1両=4万8千円
とみてチェックしてみてください。結構現実離れ
した設定が見つかるはずです!たとえば「中村
主水が1両(4万8千円)以下で人殺しをするの
はいくらなんでも!」とか・・
**戦後期のの貨幣価値の計算方法**
1)貨幣
①銭
*永楽銭1枚=1文とする
*1疋(ひき)=銭10文
*1緡(さし)=銭100文
*1貫文(かんもん)=銭1000文
②金
*金1分(ぶ)=4朱
*金1両(りょう)=4分
*金1両(りょう)=銭4貫文
*金1枚=金10両
2)戦国時代の1文の価値
戦国時代の1文が現代の何円に当たるか?いろいろ
な考え方があると思いますが、このブログでは以下の
ように米価格から割り出す計算方法により
『1文=約120円』
と設定します。
【計算方法】
永禄年間(1566)当時の米価格は、
京都 1500文/一石
奈良 700文/一石
まず奈良の方が生産者米価に近いとすると、
1石=135kg
また現代の優れた米の価格を
600円/kg
と設定すると、
1文=(135kg×600円)÷700
=115.71円
為替変動は常にあるので、戦国期はおおむね
1文=120円
と見てよいと思います。【計算方法】の部分は新人物
往来社「戦国時代考証総覧」の中の「戦国時代の
通貨・経済・租税」を参考にしております。
以上
移り変わっていきます。江戸地域が徳川家康によ
って開発されて、政治・文化・経済の中心地となる
と、当然インフレが起こり貨幣価値が下落してい
くことになります。計算方法は本記事末尾に記載
しました。
1)江戸期と戦国期の貨幣価値の比較
ここからは純野の想定ですが、戦国⇒安土桃山
⇒江戸前期⇒江戸後期と貨幣価値がどのように
変遷していくかですが、例えば、
*戦国期と比べ江戸中期のインフレ率10倍
*戦国期と比べ江戸後期のインフレ率20倍
とすると、その逆数だけ貨幣価値は下がることに
なります。今回の記事では“江戸期インフレ率
10倍”で計算してみます。
2)千両箱、そば代、富くじは?
①TV時代劇でよく出てくる“千両箱”は?
江戸期で仮にインフレ率10倍としてみまし
ょう。
☆戦国期:金1両=4000文×120円=48万円な
ので金千両=1000両×4000文××120円=4億
8千万円となり、「これはゴッツイ!」という印象
ですが、
☆江戸期:金1両=4万8千円なので金千両=
4800万円となり、命がけで盗む金額ではない
ような気がします。
②TV時代劇でよく出てくる“そば代”は?
こちらも江戸期でインフレ率10倍としてみ
ましょう。戦国期の1文=120円なら江戸期の
1文=12円となり、
「かけそば10文になります!」
というと120円になるので、これはいくらなん
でも安すぎる!現代の立ち食いそばでもかけ
そば250円はしますので、
「かけそば20文になります!」
と蕎麦屋に言わせるのが妥当と思います。江
戸末期なら40文でしょうね。ここらへんは歴史
小説家の先生たちが無視してきた点かな・・
③TV時代劇で出てくる“富くじ”の一等賞金は?
こちらも江戸期でインフレ率10倍としてみ
ましょう。戦国期の金1両=48万円なら江戸期
の金1両=4万8千円となり、
「大当たり~、一等賞金五百両!」
といわれると多そうな感じがしますが、
*五百両=500×4万8千円=2400万円
なので“ちぇっ・・しけてやがんな・・”とつぶや
かれそうです。最低限「一等、一千両!」の掛
け声が欲しいところです。
皆様も江戸時代のTV時代劇を見る時は、
*だいたい1文=12円、1両=4万8千円
とみてチェックしてみてください。結構現実離れ
した設定が見つかるはずです!たとえば「中村
主水が1両(4万8千円)以下で人殺しをするの
はいくらなんでも!」とか・・
**戦後期のの貨幣価値の計算方法**
1)貨幣
①銭
*永楽銭1枚=1文とする
*1疋(ひき)=銭10文
*1緡(さし)=銭100文
*1貫文(かんもん)=銭1000文
②金
*金1分(ぶ)=4朱
*金1両(りょう)=4分
*金1両(りょう)=銭4貫文
*金1枚=金10両
2)戦国時代の1文の価値
戦国時代の1文が現代の何円に当たるか?いろいろ
な考え方があると思いますが、このブログでは以下の
ように米価格から割り出す計算方法により
『1文=約120円』
と設定します。
【計算方法】
永禄年間(1566)当時の米価格は、
京都 1500文/一石
奈良 700文/一石
まず奈良の方が生産者米価に近いとすると、
1石=135kg
また現代の優れた米の価格を
600円/kg
と設定すると、
1文=(135kg×600円)÷700
=115.71円
為替変動は常にあるので、戦国期はおおむね
1文=120円
と見てよいと思います。【計算方法】の部分は新人物
往来社「戦国時代考証総覧」の中の「戦国時代の
通貨・経済・租税」を参考にしております。
以上