義父のラブストーリー

2025-03-18 14:13:53 | 思い出

我が家の狭い玄関

いつも 絵手紙を飾っています。

昔 私が勤務していた医院の婦長さんが

退職されてから 趣味に絵手紙を始めて、

折々に 送って下さったものをずっと

一年中 その時期のものを

飾らせてもらっています。

ほっこり・・します

 

今朝は その隣の壁に

ちょっと早いかな と思いつつ

桜と 里山の 

とても優しい色合いの風景画を掛けました。

この絵は

義父の (今なら『元カノ』というのでしょうか)

若かりし頃にお付き合いされていた女性Sさんが描いた絵。

義父は 戦時中は海軍にいて、

終戦直前 広島の呉で 出陣を待っていたとか。

そのまま戦場に出ることなく終戦。

呉での生活の中で

結婚まで考えたお付き合いだったのか、

ラブストーリーを

詳しく義父に聞くことは出来なかった。

終戦後、

義父は 故郷に帰ってきて 義母と結婚し、

呉の彼女Sさんも又 別の男性と結婚。

 

そして、

私がこの家に嫁いできて 5,6年の頃。

「呉の元カノ」Sさんが、我が家を訪れたのです。

当時 義父は60代 義母は50代。

義母は 最初は 結構パニクっていました。

当然と言えば当然か・・

昔のこととはいえ気持ち的には複雑かも。

 

義父の友人夫婦も交えて 温泉旅行に出かけたり、

その後 もう一度は 我が家へ泊まりにも来られた。

絵、七宝焼きも趣味で

私にもブローチとネックレスを作って下さった。

 

ほどなくして

Sさんの娘さんから

「母が 亡くなりました」との電話。

きっと

先が長くないということがわかっていて、

義父に会いに来たのですね。

 

 

4年前

うちの古い母屋を解体する際

義両親の残した荷物を片付けていました。

Sさんが描いた絵、何枚もの色紙が出てきました。

そういえば 今まで

この色紙や 絵が飾られたこと

一度もなかった事に気がつきました。

義父は

義母に遠慮して飾れなかったのかな?

義母は

義母なりにジェラシーがあったのか?

う~~ん

 

Sさんの絵

狭い玄関を明るく彩っています。

ラブストーリーがあったことを

知っているのは

もう

私だけになりました。