昨日は 実家の父の月命日で、
お参りに行きました。
本当におとなしい
クソがつくほど真面目で、
いつも
自分より人のことが先でした。
アルツハイマー型の認知症になったので、
最後に残った記憶は、自分の名前だけ。
まだ、
そんな父に
認知症の症状が出ていない頃のこと。
両親の営む小さな商店、
銀行の合理化で、小さな田舎町の支店は統廃合され
外回りの銀行員さんが 来てくれなくなりました。
それで、
ATMでの入出金を余儀なくされました。
父を連れて ATMのコーナーへ。
キャッシュカードの入れ方~
暗証番号押して~
入出金の仕方を教えました。
・・・・・
「いらっしゃいませ」
・・・・・
「カードをお受け取り下さい」
・・・・・
「ご利用ありがとうございました。」
・・・・・
無事に入金も出金もできて、
キャッシュコーナーの扉を開け、
外へ。
父: (しきりに感心した風に)
「K子(私)やぁ・・・なんと上手に もの言う(話す)子やなあ~~」
(???)
(誰のこと??)
(誰もいなかったけど・・??)
私: 「誰も いてへんかったけど?」
父: 「さっきの機械の中で 教えてくれてた子やで。」
私:「あーーー! あれは、機械がしゃべってるんやで。」
父:「そんなはずない! あんなに上手にしゃべれることないわ!」
「中から見てへんかったら、無理無理~~」
当時のど田舎の銀行カウンター
窓口の女性行員さんは
地元の人の方言に合わせて
バリバリのの方言で話してくれたものです。
それで、
父にしてみれば、
綺麗な標準語で 次々と機械の手順を教えてくれる女性の声に
とても感心したのでしょう。
どんなに説明しても納得しません。
最後は、ATMコーナーの裏へ回って 開けてもらおうかと思うほど、
機械の中に人が入っていると 信じて疑っていませんでした。
あれから
父ひとりで
何回もお金を出し入れに行ったと思いますが、
その後の父の認識に変化があったのかどうか
確かめるのを忘れたなあ・・・
と
ふと
仏壇の父の写真を見て 思い出しました。